騒がしい教室
授業が始まり、静かになった教室に時折、話し声が聞こえる。どうにも俺は気になってしまい、後ろを見ると小さな紙切れを生徒同士で交換していた。内容に面白いところがあったのか笑い声も度々聞こえてきた。
高校になって授業が初日。何もかも新しい世界に変わらない仲間がいることが楽しいのか授業中でも楽しそうに見えた。
「お前たち。まじめに聞いているのか!」
先生もさすがに敏感なようで生徒たちの遊んでいる光景に怒り、授業は静かな時間に戻って先生の声だけが聞こえた。
二時間目の授業が終わった教室は再び騒がしくなってきた。
先ほどと変わらないメンバーで話す連中。新しく話しかける連中と分かれた。
「ねえ。千佳ちゃんは部活動するの?」
千佳も先ほどと異なり、木下さんと部活について話していた。
「私は帰宅部だけど?」
「そうなの?中学の時はソフトテニス部に入っていたのに…」
女子の世界には嫌なことが多いようで中学の時の千佳は部活に入っていたものの途中から帰宅部になっていた。
「本当に勿体ない」
木下さんの気持ちも分かるが、千佳の気持ちも分かってしまった。
「そっか…」
木下さんは仕方なさそうにしており、諦めて話を変えていた。
「お手洗いに行こう」
二人はそう言って教室を出て行った。俺も一人となってしまったので、後ろの連中に参加することにした。
「お!何だ?晴翔、安堂さんに嫌われたのか?」
「どうしてそうなる!」
佐伯はいきなり話に参加した俺に違和感があったようで冗談交じりに話しかけていた。
「何だ?木下さんと二人で居なくなって、一人で寂しくなっただけか」
「性格悪いぞ」
佐伯の残念そうな表情にはウザさもあった。
「晴翔はそれで部活はどうするんだ?」
「あいつらの話を聞いていたな…。俺も帰宅部だよ」
佐伯は分かっていたことにも頷いていた。
「そうだよな」
「理解されるのも釈然としないな」
佐伯は何でも知っていると言わんばかりに威張っており、言い方にも面倒臭さが出ていた。
「本当にうぜえな」
「だろ?」
本当に性格が悪いと感じたが、これでも良いやつではあるため、同じ思いをしてもらうことにした。
「あ!佐々木さん」
「え?」
俺が佐伯が反応してしまう人の名前を呼ぶと案の定引っ掛かり、振り向いた。
「っていねえのかよ」
「佐々木さんにお前は弱いのな」
俺も佐伯に揶揄って気になった佐々木さんの名前を言った。
「お前たちは本当に高校生なのか?」
俺と佐伯の揶揄い合いにバカらしく見えたのかツッコミを入れてきた。
「高校生だぞ。残念ながらな」
「そこはえらそうにする所じゃねえだろ」
佐伯は俺が言い切ったことにツッコミを入れてきた。
「お二方は本当に仲が良いのですね」
「佐々木さん?」
佐伯を揶揄っていただけのつもりだったが、佐々木さんがきており話しかけてきた。




