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かっこいい要素

今日から始まる授業に日直が決められ、出席番号順で俺と千佳(ちか)となっていた。

「おい。日直!職員室に来なかっただろ!」

入学してすぐと言うこともあり、日直の存在を忘れており、職員室へ行っていなかったことを言われて気づいた。

「全く。明日は来いよ!」

先生は学級日誌を千佳に預けるとホームルームを始めた。

「あなた、日誌は書ける?」

「当たり前だろ。何年生徒をやってきていると思っているんだよ」

千佳はホームルームの最中に俺へ日誌が書けるのか質問してきた。

安堂(あんどう)こそ。できねえだろ?」

「うるさい」

千佳はそう言うと俺の頭に日誌を当ててきた。

「お前たち。入学早々からイチャつくんじゃない」

「これは違いますよ」

先生は俺たちを見て注意してきたが、そんな関係ではないため、否定をした。

「なら何だよ。私から見ればイチャついて見えるが」

「これは…」

千佳はやけに考えていたので面倒になってそのまま言うことにした。

「単純に学級日誌をどっちが書くのか話していただけです」

「そうなのか?」

先生は切り替えてホームルームを続けたが、千佳からのとても強い視線が向けられていた。

「授業は中学と変わらないが、気を抜きんじゃねえぞ」

ホームルームの終わり際に先生は今から始める授業に向けて、気を付けるように言って教室を出た。

「今から授業なのに不穏な言い方をするんじゃねえよ…」

高校になって初めての授業は数学だった。

数学の先生は二組の担任が教えることになったようだ。

「授業を始める。日直、号令!」

俺は学級日誌を見ていると、先生から号令の合図がされ、俺が声を出した。


授業が始まり、内容は先生の軽い自己紹介を済ませ。中学で習った内容の振り返りが主となっており、授業の速度も良くも悪くもない。

学校の授業は久しぶりという事もあり、慣れない感覚で一時間の授業はあっという間に終わった。

授業の終わり、休み時間の号令を千佳がかけた。

「明日からは教科書を進めるから持ってくるように」

授業が終わると一瞬で先生は教室から出ていき、生徒たちは話が合う人たちで集まり出した。

「ねえ。晴翔(はると)、どっちが号令するの?」

交互(こうご)にすれば良いじゃねえか?」

俺は授業が終わったこともあり、一時間目の休み時間で学級日誌を書いていた。

「じゃあ。あんたが最初にやって」

「分かったよ」

千佳は号令の順番を勝手に決めると、黒板に向かい、先生が書いていた文字を消した。

「おい。晴翔は黒板を消さないのか?」

佐伯(さえき)は一人で黒板の文字を消している千佳に気づくと俺のほうを見て言ってきた。

「お前がしていいぞ」

「おい!面倒くさがるな」

学級日誌をまとめている俺と黒板の文字を消す千佳で仕事を分けていただけだが、千佳が目立つこともあり、俺が手伝わないみたいに見えて仕方なかった。

「日誌は授業中でも大丈夫だと思うが…」

黒板を一人で消す千佳を手伝わない俺。そんな光景が面白いのか。教室の窓側に集まる女子生徒たちは千佳の姿に面白おかしく笑っていた。

「良いのかよ」

俺はそんなことお構いなしに学級日誌を書き終えた。

「俺が日誌を書いているからって。手伝わないわねえと思ったのか?」

「うっさい」

俺は一人で強がっている千佳の姿を見て、申し訳ないと感じた。

「俺も手伝うから今度から言えよ」

俺は千佳が持っていた黒板消しを奪い、千佳が届かなそうな場所を代わりに消した。

「何?」

「何でもない」

俺のイケメンムーブにも千佳は強気な口調で言い返してきた。

「何か言いたそうだな」

「うっさい」

千佳は俺を嫌そうに睨んでおり、視界を外されることはなかった。

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