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鏡にうつる影

作者: 逆福

新居に引越して数日の事、はじめはバタバタしていて目が疲れていたせいかと思ったがそうではないらしい。家の洗面所の鏡の端に黒い影が写っているのである。

振り返って影になっているであろう場所を見ても特に何もなく、鏡の汚れによるものでもなかった。

不動産会社に確認してみたがそんなものはなかったと言われた。

ではこれはいったい何なのか。引越してきたばかりで金銭的に余裕はなく、地理的にも家賃的にも合っている物件だったので不気味だとは思いながらも無視をする努力することにした。

それからしばらくたったが影は消えないどころか少しずつ大きくなっている気がした。


ある日の事、家の鏡に影が映ると友人に話したところ興味を持ったようで家にみにくる事になった。

家について早速友人に鏡を見せてみたが、何度みても友人には影が見えないようだった。

友人に説明している時にも私には影が見えていたのである、私だけにしか見えないこの影はいったいなんなのか。


いつの間にかそんな事を考える余裕がないほど仕事が忙しくなっていた。家につくのは深夜で帰ってきては寝るを繰り返すという日々をしばらく送っていたが、ようやく一息つけるという状況になった。

久々にゆっくりしようと風呂に入り、歯を磨いて寝ようと鏡を見ると影が鏡全体を覆っていた。

突然の事に一体なんだと困惑していたら鏡を覆った影に顔が浮かび上がってきた。浮かび上がった顔を見てとうとう耐えきれなくなり、声をあげて悲鳴をあげ、そしてそのまま気を失ってしまった。


気を失ってからの事だが、叫び声を聞いた隣人が通報してくれたおかげで一命をとりとめたようであった。倒れた原因は頭にできていた病気が過労により悪化した為という事であった。

鏡に映った影は頭の病気によるものだった可能性があるという事であった。しかしあの最後に見た影に浮かび上がった顔はなんだったのか、確かめようにも鏡に影が映る事はもうなかった。



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