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21話

 ここから一気に修行パートだ。

 偽装魔法の完成度を上げ、魔王軍に志願するぞ!! でも俺の偽装魔法の完成度を上げるといっても今でさえ見た目にも質感にも誰も違和感を覚えないレベルなんだよな。これ以上は何を強化していけばいいのか見当もつかない。詰んだ……これじゃあ、テリボンズクがどこにバレる懸念をしているのかわからない。あれ? そう言えば、俺の言動とか文化の違いなんて細かいところからバレそう何て言ってなかったか? 完全に忘れていた。そうだよ、俺の偽装魔法の完成度を上げるんじゃなくて自然に魔族の世界に溶け込めるようにならないといけないんだった。


「悪い、テリボンズク。俺はせっかくお前が教えてくれたことを忘れてしまっていた。そうだよな、俺に足りないのは偽装魔法の練度じゃなくて魔族の世界の知識だったもんな」


「何の話だよ……ああ、そう言えばそんなことも言ったかもしれないな。確かにコンキチの偽装魔法を看破できる奴なんてそうはいないだろうが、不自然な行動をしていれば必然的に注目を浴びてしまう。そこからバレていく可能性は捨てきれないよな」


 テリボンズクのいう通りだ。

 俺がいかに魔族の恰好をしていようが魔族の社会に溶け込めなければ意味をなさない。よほど勘のいい奴でもない限りこいつ人間じゃねぇのか? とか疑うこともないだろうが、今は戦争中だ。みな神経質になっているに違いない。人間のスパイが紛れ込んでいるという考えになることもあるだろう。万が一にもバレる可能性は潰して置くのが定石だ。


「ありがとうテリボンズク。お前のおかげで俺は危機を未然に防ぐことができた。もし俺がこのまま魔王軍に志願していたら人間だとバレていた可能性は捨てきれない」


 感謝の気持ちを伝えることはいいことだ。

 お互いがいい気持ちになる。テリボンズクも俺に感謝されてきっと嬉しいはずだ。


「急にどうしたんだよ、気持ち悪いぞ」


「おい!! 気持ち悪いってどういうことだよ!! 俺は素直に感謝しただけだろ」


「コンキチがまともなことを言ってると違和感が凄いんだが。どうせこれも何かするために俺のことを騙そうとしてるんじゃないかって勘ぐってしまうんだよな。これもコンキチがしょうもないことばかりしてきたからだぞ」


 なんでだよ!! 感謝の気持ちを伝えたら何されるかわからないからやめろだと!? 確かにテリボンズクにはいろいろしてきたがここまで言われる筋合いはない。また何かしてやるからな。俺の感謝を素直に受け取らなかったことを後悔させてやる。


「まあ、こんな話しててもなんの意味もないだろ。もっと実のある話をしようぜ。例えば……そうだな。コンキチが人間の領土で暮らしてた時の話とか。実は俺も人間の暮らしについては興味を持っていたんだ」


「え? 俺の話か……ちょっと待ってくれ」


 どうしたもんかな。俺はこの世界の人間じゃないからここで話をしたときに事実と異なる可能性がある。俺が知っている文化がこの世界のものと同じとは限らない。別にこの世界の人間じゃないことがばれたところで支障はなさそうだが、こんななんの風情もないタイミングでカミングアウトするのは俺のプライドが許さない。もっと最適なタイミングがきっとあるはずだ。


「俺のこれまでの人生はこんな少しの時間で語り切れるものじゃない。また今度時間がとてつもなく有り余っている時に話そう」


「どんな人生を送ってきたんだよ。まだそう長く生きていもいないだろう。意味のわからないこと言ってないで話せよ。どうせ、大したことなんてしてきてないから話す内容がないだけだろ」


「ここははっきりと違うとだけ言っておこう。そう思うのはテリボンズクの勝手だが、奇想天外なことが起きた人生だ。きっと予想もできないことばかりだと思う。まあ、楽しみにしておいてくれ」


「随分と自分でハードルを上げてくるじゃないか。しょうがないな、そこまで言うなら楽しみにとっておいてやろうじゃないか。これで、しょうもない話しか出てこなかったら許さないからな」


 テリボンズクもどうせ大したことのない人生を送ってきただけだろうな。

 魔王軍の四天王になっているとはいえ、見た目は俺と同じくらいの年齢にしか見えない。魔族が人間と寿命が違うというんならもう年齢はわからないが、そうでないなら一緒ぐらいだろうか。


「テリボンズクって何歳なんだ。 俺と同じくらいだと勝手に思ってるんだが、年上だったら少しは敬うべきかと思ってな。教えてくれよ」


「年齢か。興味がないからしっかりとは覚えていないが200歳は超えてるはずだな。俺が四天王になってから50年は過ぎてるからそれくらいじゃないか? そういうコンキチは何歳なんだよ。同じくらいってことは200歳くらいなのか?」


「人間の寿命はそんなに長くねぇよ。100歳も生きれば長寿でちょっとした有名人になれるぞ。おいおい、テリボンズクって200歳超えてるのかよ。俺の十倍以上生きてきたってことじゃねぇか」


「10倍? は? コンキチは20歳くらいだって言うのか? 魔族だったらまだ子供だぞ」


 まさかここまで寿命に開きがあるとは思わなかったな。テリボンズクってじいちゃんじゃんか。こんな見た目だから騙されてたわ。今度からテリボンズクじいってよぼうか。


「なあ、テリボンズクじい。魔族の寿命ってどれくらいなんだ? 聞いた感じだとかなり長そうだけど」


「500歳くらいはあるだろうな。現に今の四天王の二人は500歳を超えてるからな。かなりの高齢者だな。っておい、俺のことをじいって呼ぶな。まだそんな年じゃない!!」


「だって俺からしてみればすげぇじいちゃんだったから」


 お気に召さなかったようだな。

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