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20話

 テリボンズクについて行くと、大きなテーブルがおかれた部屋に行きついた。

 しかもその上には豪華な料理がずらりと並んでいる。

 思っていたよりも時間がかかっていたのはこの料理を作っていたからだったのか。まさか、異世界に来て初めての食事がこんなにも豪華なものになるとは思いもしなかったな。テリボンズク様の優秀な使用人に感謝だ。この見た目で実はまずいとかそういうオチはマジでいらないからな。


「テリボンズク様、それにコンキチさん。つい今しがた料理が出来上がったところで、ちょうどお呼びに行こうと思っていました」


 これ以上ない完璧なタイミングだったってことか。

 そりゃこの部屋でずっと待ってるのが一番確実に出来上がったばかりの料理を食べることができるが、俺たちはヘリーサが呼びに来る時間を自分たちでなくして最短で出来立ての料理にありつくことができたということだ。これもテリボンズク様のおかげだ。


「そろそろできる頃だろうなと思ってやってきたんだ。タイミングが良くて助かったよ。それにしても今日は一段と豪勢だな。ちょっと気合いを入れすぎなんじゃないか?」


「気合いの入れすぎなんてそんなことはありませんよ。テリボンズク様が誰かを連れてきて食事など初めてのことですから。私の腕の見せ所じゃありませんか。テリボンズク様の筆頭使用人としての意地があります」


 え? テリボンズクって友達がいない感じなのか? 意外だな、あれだけ住民たちから慕われているのを見るとコミュニケーション能力も大分優れてそうだったんだけどなぁ。


 ヘリーサなんて目頭を抑えて本当にうれしそうにしている。

 これは間違いなく友達がいないことが確定したな。テリボンズクも不器用な奴ってことだ。


「余計なことはいうな。またコンキチが調子に乗るかもしれないだろ」


 じろっと俺の方を見て警戒してくるが、もう時すでに遅い。

 俺にはテリボンズクが友達が一人もいないボッチだということはバレてしまっている。


「別に細かいところなんて気にするなよ。友達がいなくたって四天王になれたってことだろ。そう考えればテリボンズクには友達なんて存在は不要だったんだよ。ポジティブに考えていこうぜ」


「うるせぇ。俺だって友達くらい何人かいるぞ。ただ、俺の故郷の町に住んでるからここに遊びに来ないってだけだ。断じて俺は友達がいないさびしいやつなんかじゃないからな!!」


 無駄に強く否定するところが怪しいな。これはもう少しカマをかければすぐにぼろが出そうだが、せっかくの料理を目の前にそんなことをしていたら出来立ての料理に申し訳ない。もちろんヘリーサに対してもだが。


「わかったよ。その話は後でゆっくりするとして今は食べるほうを優先しよう。俺はもう我慢できそうにないからな」


「食い意地の張った野郎だな。精々俺に感謝しながら食事を楽しむことだな。この料理を作ったのはヘリーサかもしれないが、この食材を買ったのは俺の金だし、ヘリーサを雇ってるのもこの俺なんだからな」


「はいはい、ありがとうございます。それじゃあ、いただきます!!」


 美食家の俺も思わずうまそうと思ってしまうほどの完成度の料理を食す。

 料理はもちろん見た目も大事だが、味も同じくらい重要だ。いざ実食。




「はあぁ、うまかった。ご馳走様。ヘリーサは俺が魔王軍の四天王になったら使用人として貰うことにする。今決めた」


「そんな困りますよ。私はテリボンズク様に使えているのですから。そう簡単にほかの方の使用人になるわけにはいきません」


「えー? それじゃあ、俺がテリボンズクよりも上の立場になったらいいってこと? なら、俺が魔王になったらってのはどうだ?」


「魔王ですか? そんなことが可能なのしょうか? 魔王と呼ばれる存在はあの方だけだと思うのですが……」


「そいつの話を真剣に聞くのは時間の無駄だぞヘリーサ。それに、コンキチが魔王に何てなれるわけがないだろうが。よく考えてものを言えよ。魔王様は魔王様だけだ。ほかに出てくるはずもない」


 流石に難しかったか。魔王になっちまうなんて現実的じゃないって思ったけどそれくらいヘリーサの料理はどれも最高だった。いい素材を使っているって言うのはあるのだろうが、腕前もぴか一だろうな。


「俺の使用人としてほしいってのは本当だからもしテリボンズクに愛想が尽きたときはいつでも俺のところに来てくれよ」


「そんなことはないと思いますが、頭の片隅に置いておきますね」


「コンキチも俺の家に住むくせにどうやって使用人を雇うんだよ」


 そうだった。当面はこの家でお世話になるんだったな。さっさと自立して自分の家を手に入れないとな。 


 そうと決まれば俺は魔王軍に志願するしかない。できる限り早く、テリボンズクから人間って絶対にバレないっていうお墨付きをもらって魔王軍の一員になるぞ。そうすれば、俺の力ですべて解決だ。一瞬で四天王まで登り詰めてやるぜ。


「ほら、行くぞテリボンズク。魔法の修行だ。俺の偽装魔法を完璧に仕上げるぞ!!」


「なんでだよ。勝手にしてろ」


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