表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/22

19話

「コンキチが戦う気だったら確かに俺は死んでいただろうな。でもそうはしなかったじゃないか。それをいまさら感謝しろなんて都合がよすぎないか?」


「えー、だってその通りだろう? 俺がその気だったら死んでたのは確実にテリボンズクのほうがだろ? 俺が平和主義者だったことに感謝するべきだ」


 意味のわからない論理を展開し、テリボンズクを俺に感謝するように仕向けて行く。どう考えてもうまくいくとは思えないが、暇なのでいい暇つぶしになる程度の遊び感覚なのでうまくいかなくても全然いいんだよな。うまくいって何か貰えたりでもすれば御の字だ。ああ、早く飯来ないかな。俺の空腹もかなりのところまで達しているからな。これ以上はイライラしはじめるかもしれない。そうなってテリボンズクに当たってしまってはこれからの関係に支障をきたしかねないからな。


「しょうもないことで駄々こねるんじゃねぇよ」


「しょうもないことだと? 俺がどんな思いで戦争を止めようと思ってるんだよ。生半可な気持ちで言ってるんじゃないんだぞ」


「いや、別にそんなつもりで言ってるわけじゃねぇよ。コンキチが本気だってことくらいは伝わってるさ」


 俺の気持ちは伝わっていたのか……そう考えると何か嬉しくなってくるな。

 今までの俺の必死の訴えは無駄じゃなかったってことか。


「ありがとう。それじゃあ早速俺を魔王に合わせてくれ。任せとけ、テリボンズクの意思もしっかり継いで説得して見せるから」


「話が飛躍しすぎなんだよな。いつ俺がそこまでしてやるって言ったんだよ。まだ、全然その段階まではいけてないからな。もう少し順をおって行ってくれ」


「ぬか喜びさせやがって!! 俺の今の気持ちを返してくれ!!」


「情緒不安定すぎるだろ。頼むから冗談でやってるって言ってくれ。もしこれを本気でやってるような奴なら俺は関わりたくなくなるから」


「何でわかったんだ? 俺が大げさに反応してるって」


 テリボンズクの洞察力も捨てたもんじゃないな。この俺の完璧な演技を瞬時に見破ってくるとはな。

 しかし、俺もまだ本気を出してるわけじゃないぞ。こんな不自然なことをしていればそりゃ見破られる可能性もあるだろう。次は自然な流れでやってやるからな、覚悟してろよ」


「俺を舐めすぎなんだよ。適当にやってたって俺のことは騙せないからな」


 テリボンズクのことを舐めたことなんて一度もないんだけどな。俺としては、頼れる相棒くらいの位置にと考えているくらいだ。これからも戦争を止める上で重要な役割を担うことになるのは間違いないだろうし。


「そんなことよりも飯はまだなのか? 俺たち結構話してたと思うんだけど。もう俺、腹減ったって」


「無駄に時間ばかり経ってしまったな。何一ついい案なんて出てないぞ? コンキチはこれでいいのか? 逆に俺が不安になってるんだが」


「いい案が出ないのも腹が減って思考が乱れているせいなんだよ。腹いっぱいの満腹モードの俺の頭の回転はとんでもないぞ。一瞬で妙案をいくつも思いつくこと間違いなしだ」


「胡散臭すぎるだろ。コンキチが言うと、冗談にしか聞こえないんだよな。今度からもっと言葉の重みというものを意識して話したほうがいいと思うぞ。軽々しく言葉を使いまくるからこうなるんだよ」


 失礼な奴だな。俺のどこが軽いやつだって言うんだよ。

 まったくテリボンズクの洞察力を褒めた俺が間違っていたようだ。この俺に対する評価がまるで間違っている。


「俺が発する言葉の重みが理解できないとはテリボンズクもまだまだだな。テリボンズクこそもう少し俺の話を考えて聞いたほうがいいぞ」


「それこそダメじゃないか。コンキチの話なんて8割がた冗談みたいなもんだろ。俺があってから今までどれほどしょうもない冗談に騙されたことか。いくらなんでももう学んだぞ」


 ということらしい。俺の言葉は8割がた冗談ととらえられているみたいだな。

 よく思い出してみるが、そこまでテリボンズクをからかうようなことはしていない気がするんだがな。最初の拘束してズボンを脱がすのと、家を消し去ったことくらいだろう。全然8割もないじゃないか。この嘘つきが。


「8割ってのは持ってるだろ。いいとこ2割だよ。今俺が喋っていることも8割がた冗談ってことだよな? そんなことありえないだろ」


「言葉の綾だよ。完璧に8割が冗談なんて俺も思ってないからな。それくらいひどかったってことを伝えたかったんだ」


「はあ、そうなのか? 難しいやつだな。もっとストレートに言ってくれよ。そうじゃないと俺には伝わらないぞ」


 遠回しな表現なんてされてもわかるほど俺は聡くないんだ。

 クラスメイトにハブられていてもまったく気が付かないくらいなんだぞ。これも親切な友達が教えてくれた情報だ。今でも確信は持っていない。


「ああ、もういいから。そろそろ飯もできるだろうし、テーブルに移動するか。こっちだ、ついて来い」


「おい、まだ話は終わってないぞ」


 抗議する俺をおいてテリボンズクは立ち上がり、移動を開始した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ