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17話

「今、自分の意思で置いたわけじゃないって言ったよな? なんでそんな可愛そうなものを見るような目で俺のことを見てくるんだよ。だから、外に派手に飾られるよりは家に置いたほうがマシだと思ったんだよ。それに、住民たちが一生懸命作ってくれた像をいらないとか言えないだろ?」


「へぇー、そうなんだぁ。領主も大変なんだな」


「おい、コンキチ。お前絶対俺の言い分聞いてないだろ」


 テリボンズクが何を言おうがこいつが自分の家にどでかい像を飾っているという事実は変わらない。とてもじゃないが俺にはこんな真似は恥ずかしくてできない。住民からもらったものだからって家に置いてるのは実は気に入っているからに違いない。いい言い訳に使いやがって。


 改めて像を見てみるが、無駄にいい出来なのが腹立つな。こういうのは住民が作ったからとんでもないクオリティに仕上がってないとおかしいだろ。住民の中にプロの方が混じってるんじゃないか? しかも少し美化されてイケメンになっているのも俺の苛立ちポイントを加算していっている。


「もうそんなに真剣に見なくてもいいから。早く、こっちに来い。ヘリーサが飯の準備をしてる間に今後のことを話し合わないといけないだろ?」


 像にばかり気がいってしまっていた。俺としたことが情けないな。

 テリボンズクのいう通り今後の方針についてはしっかりと話し合っておく必要がある。今の俺の中で最も有力な選択肢は魔王軍に志願してテリボンズクと同じ四天王まで昇り詰めるという案だ。この作戦の問題点を上げるとしたら時間がかかるくらいなもんだろう。それも俺の実力ならすぐに昇格していくはずだ。


「ああ、俺も話さないといけないと思ってたんだ」


 テリボンズクの後をついて行き、リビングに案内される。


 この部屋もムカつくくらい豪華だ。

 電気がでかいシャンデリアって普通の家だったらありえんだろ。流石は住民から城と呼ばれているだけのことはある。悔しいが、生前の俺の家よりも確実に豪華だろう。比べるのもおかしいだろうが、男のプライドの勝負だからな。リビングは俺の負けを認めてやろう。ほかの場所はまだ見ていないからな、もしかしたら何か所かは勝っている場所があるかもしれないし。


「そこのソファに座ってくれ。飲み物は何かいるか?」


「悪いな、それじゃあ俺はコーラで」


「コーラ? なんだそれ? 人間の世界でしか存在しない飲み物を要求してくるのはやめてくれよ。お茶を入れるから座って待っててくれ」


 つい、いつもの感覚でコーラとか言っちゃったけど、ここにはコーラはないんだな。ああ、飲めないとわかったらあの味が恋しく感じてきた。いつかは飲めると信じておこう。


「四天王のテリボンズク様にお茶を入れてもらうなんて光栄だな。まるで、魔王にでもなった気分だ」


「馬鹿なこと言ってんじゃねぇよ。お茶ぐらい俺でも入れれる。全部が全部使用人にさせている訳じゃないんだぞ」


「冗談だって、ありがとう。のども乾いてたところだったんだ。ナイスタイミングだな」


 テリボンズクが入れたお茶を受け取り、一口飲む。

 正直、高い茶葉を使って入れたお茶とかの判別は俺にはできないが、このお茶はそこそこ美味かった。きっと、この町で最高級のものを入れてくれたんだろう。金持ちはやっぱり違うな。


「それじゃあ、これからどうするか話し合うとするか。で? コンキチは一体どうするつもりなんだ? 魔族と人間の戦争を止まるってのは本気なんだろ?」


「もちろんだ。俺の最終的な目標はそこにあるからな。まずは、目標を達成するために小さなステップを一つずつこなしていかないといけないんだ。その第一歩がテリボンズクの信頼を勝ち取ることだ。実際のところ、俺に対する信頼ってどの程度まで上がってきてるんだ?」


「はあ……難しい質問だな。俺としては、魔王様の危険となるコンキチを一番近くで見張って置くってのが理由なのは間違いないが、コンキチが悪い奴じゃないのはなんとなくわかってきているつもりだ。正直な話、人間なんてどいつもこいつもくそ野郎だと思っていたからな。でも、すぐにふざけてくるのはやめてくれ」


 割と俺に対する印象が改善している。この調子ならすぐに信頼を勝ち取れたりして。

 ここで油断せずにいかないとな。とはいえ、特に態度が変わるわけでもないので、今まで通りに過ごすだけか。


「俺を魔王に合わせてくれるってのはどうだ? それさえかなえば俺としては最高なんだけど……」


「無理だな。そこまでの信頼をコンキチに置いていない」


「だったら、俺は魔王軍に志願するよ。そこで昇格していって魔王と会うのなら文句はないだろ?」


 テリボンズクの顔が嫌そうな表情に変わる。

 お気に召さなかったようだな。


「それはできればやめておいてほしい。コンキチの実力なら四天王になるのにそう時間はかからないだろうが、人間だとバレるリスクを負うのは危険だ。万が一バレた場合はスパイということになるのは間違いないな」


 バレることなんて想定していなかったな。

 もう少し慎重になるべきか?

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