表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/22

11話

 テリボンズクがなれた様子で門に向かって歩いて行く。

 流石に自分の町だから俺みたいにちょっと心の準備がいるとかいうこともないんだろうな。俺なんて、人間だってばれたら一大事だからな。テリボンズク曰く、大変なことになるらいしい。


「コンキチは喋らなくていいからな。俺の後ろを黙ってついてきてくれ。俺の領地の魔族たちは基本的に温厚な奴らばっかりだから、下手に騒ぎを起こさない限りはバレないはずだ」


「それは退屈だな。まあ、最初のうちはおとなしくしてることにする。町の魔族たちも俺のことを知ってくれれば警戒する必要なんてなるなるだろうしな」


 俺が親切にしていれば、いい魔族でテリボンズクの友達というポジションにつけるはずだ。そうすれば信頼は勝ち取ったも同然。そもそも人間が魔王軍の四天王と一緒に町へ来るなんて夢にも思わないだろうけど。そんなことまで考えて生活している奴なんていたらそれはただの変態だ。一回病院で診てもらったほうがいいだろう。心に病を抱えているに違いない。


 門に近づいて行くと、門番の魔族が二人立っているのが見えた。


「おい、門番がいるけどここは問題なんだろうな? 身分証とか通行証がないと入れない何ていうなよ」


「心配するな。万が一のために門番を立てることに魔王様が決めただけの形式的なものだ。実際にこいつらが仕事をするような事態に陥ったことなんて一度もない。ここは魔族領の中の人間の領土に近い位置にあるからな。余計警戒はしておく必要があるだけだ」


「へぇ、いろいろ考えてるんだな。そう言えば戦争について詳しく聞いてなかったけど、今どちらが優勢とかあるのか?」


 人間の領土に近いということはいずれここも戦争の被害を受ける可能性があるということだ。そうはさせないためにおじいさんと世界から俺が派遣されたというわけだが……俺もできる限り頑張ろう。


「うん? 戦争を止めるとか言っていたのにそんなことも知らないのか?」


 まずい、何も考えずに聞いてしまったが、考えてみれば違和感が凄い。戦争をしている当事者の人間である俺が何も知らないなんておかしいもんな。ああ、何て誤魔化そうか。


「戦争を止めることばかり考えていたからな。現状のことまで追いつけてないんだ」


「はあ……まあ、別に隠すことでもないからな。人間であるコンキチも帰ればすぐにすることができるだろうが、今現在、戦力は拮抗している。最初こそ勇者の猛攻を受けたが、魔王様の力で何とか五分というところまで持ち直したんだ。魔王様がいなければ今頃どうなっていたことやら。この町ももう少し押されていれば戦火の被害を被ることころだった」


「魔王はそれほどの力を持っているのか。聞きたかったんだが、俺と魔王が戦ったらどっちが勝つと思う?」


 興味本位だが、今の俺でどれほどまで通用するか確認しておきたい。まだ、神様たちから貰った力はよくわかっていないが、世界の方から貰った力はすさまじいからな。耐久力がほぼ完全防御だし、イメージした魔法は使えるし……こんな俺よりも魔王が強いってなったらそれは一体どんな化け物なんだろうな。


「もちろん、俺は魔王様が勝つと信じているさ。しかしな、コンキチの力が脅威であることには間違いない。だからこうして俺が監視しているんだ。コンキチは魔族を攻撃する意思はないんだろう? だったら、その仮定は意味をなさないな」


「それはそうだが、俺の力が魔王よりも劣っていたらテリボンズクの時みたいに説得できないと思っただけだ。まあ、俺も成長途中だ。これからまだまだ強くなるぜ」


「勘弁してくれよ。コンキチがこれ以上いろんな魔法を覚えて行くのを想像するだけで恐ろしいな。勇者も凄かったが、それを越してしまう可能性もある」


 人間側にも勇者何て戦力がいるんだもんな。そっちにも気を配っておかないといけないが、今の俺にはそこまで意識をさくことは難しい。まずは、魔族側に集中して人間が攻めてきたときは追い払って時間を稼ごう。


「テリボンズク様!! 帰られましたか。すごい勢いで町を飛び出していった時は一体何事かと心配しましたよ」


「僕もです。この町を守る門番としてテリボンズク様に忠誠を誓っていることを忘れないでください。何かあった時は僕も一緒に戦います!!」


 二人の門番がテリボンズクの姿を見つけるや否やこちらへ駆け出してきたて話しかけている。


 テリボンズクもここの領主として慕われているんだな。様って呼ばれてるし、俺も町にいるときはテリボンズク様って呼ばないといけないのか?


「すまないな、ズルボンにケリス。ちょっといろいろあってな、ここにいるコンキチを保護してきたんだ。今日から俺の部下として行動を共にしてもからお前らもよろしく頼むぞ」


 俺のことは部下ってことで説明するのね。それだったらほんとにテリボンズク様って呼ばないといけないじゃないか。


「テリボンズク様バンザーイ!!」


 とりあえず、それっぽいことを言っておく。


 バシン!!


 勢いよく頭をはたかれた。


「この通りちょっと変なやつなんだが悪い奴じゃないからよろしく頼むぞ」


「テリボンズク様の部下ということは私の上司となるわけですね。よろしくお願いします」


「僕もよろしくお願いします」


「ああ、よろしく」


 今度は普通に返しておく。

 また頭をはたかれるのは嫌だからな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ