天使
白い翼が私の目の前に来て、私の視界が白く染る。
「やっと見つけた!」
そう耳元で言われた。うるさい。
白い翼が視界から無くなったと思うと、遠くの方で腰を抜かしていた男がカエルのような姿で眠っているのが見えた。
横を向くと、とても綺麗な女の子がいた。その子は、白い髪に天使の輪っか、フリフリの裾の短いドレスを着ていた。
「誰?」
思わず聞いてしまう。
「ああ、そっかぁー...んーとね、んー?」
女の子は1人で納得すると、悩み始めた。そして、数十秒後にいきなり手をバッと広げた。
「幸穂!!私だよ!アジェ...じゃなくて、美穂だよ!」
「いや、誰よ!?美穂はそんな髪の色じゃないし...」
「いや!信じてよ!」
「無理だってば!」
「幸穂...私のこと嫌い?」
瞳をウルウルさせて女の子が聞いてくる。う゛...可愛い。
「美穂のことは嫌いじゃないけど、あなたのことは信用出来ない」
「そっか。信じてくれたんだね!」
「そんなこと一言も言ってないけど!?」
「よし、説明するよ!」
「なんの!?私あなたのこと信用してないって言ったよね!?」
見かけによらず、押しが強い。まるで美穂みた...いやいやいや、それは無い。
「あのね、幸穂。わかりやすく言うと、私たちは異世界転生しました」
「ん?」
え?異世界?転生?は?
「天界にね」
「天界?」
「うん。この世界には人間界、天界、神界があって、今私たちは人間界にいるの」
「ちょいまち?私は何に転生したの?」
「悪魔のアデレード。私は天使のアジェンタ」
「あで...?アジェン??悪魔?天使??コスプレじゃなく??」
「コスプレなんかじゃないよ!」
女の子が可愛らしく腰に手を当て、頬をふくらませながら怒ってくる。可愛すぎません?
「ごめん。説明続けて?」
「う〜ん。これ以上のことは創造神から言ってもらわないと...」
「え?そうなの?」
「私が唯一言えるのは、私の事アジェンタって呼ばないと死ぬってことぐらいかな?」
「オゥー...マイgod...」
いきなり死ぬんだ。私...。え?鬼畜過ぎない?この世界