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天使
「ほう。まだ寝ているのか」
男の人の声だ。何か嫌な言い方。私こういう系嫌いだわ。
「悪魔のくせに軟弱だな」
悪魔という単語にびっくりして、身体が動いてしまった。やばい。
「ふう。やはり寝たふりか。面倒な」
男は私の前髪を引っ掴んで無理やり顔を上げさせた。痛えよ。
「なぜ天界の居場所を吐かない。上にあるのだろう?」
え?そういう展開??パチッと目を開けるとムカつくぐらいのイケメンが目の前にいた。うっわ嫌い。キラキラしすぎで泣けてくるわ。
嫌だ、という感情が表に出ていたのだろう、男は
「そんなに嫌なのか?」
と、聞いてきた。
いや、知らねーよ。私ここに来たばっかだもん。今の記憶じゃ、何もこの世界のことわかんないし。
内心悪態をつきまくっていると、白い羽が1枚?落ちてきた。
え?なにこれ?
いきなり日が差してくる。男はイケメンも台無しになるほどに驚いて腰を抜かしていた。なんなのだ。上に何があんの?
上を見ようとすると、目の前に白い翼が来た。そして、誰かにぎゅっと抱きしめられた。