表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
純白悪魔と漆黒天使  作者: 炎描幻
1/7

序章

幸穂(しほ)〜!美穂(みほ)〜!早く来なさい」

 お母さんに呼ばれて、階段をかけおりる。美穂も後ろからついてきている。

 今日は1年に1回あるかないかの家族旅行の日だ。

 お父さんの車で四国の方のお寺巡りをするらしい。

 私はこういうお寺や神社が好きで、べつに大丈夫だが、美穂はそういうことが嫌いなので心配だ。

 私の視線に気づいたのだろう、美穂はニッコリこちらを見て微笑んだ。

「大丈夫だよ。幸穂と一緒ならどこまでも行くから」

 そうだった。美穂は引くほどのシスコンだ。もちろん私に向けての。

 もう慣れてしまえばスルーすることが出来るが、このシスコンが出始めた時は嫌で嫌で泣いていたことを思い出す。

 玄関を出て、車に乗る。私は車に乗ってすぐに寝てしまった。

 次に起きたのは、車が落ちていく瞬間だった。

 みんなの叫び声がする。目の前の景色が回っていく。次の瞬間激痛で叫び声を上げた。

「痛い!!痛い!!」

 車が体の上に乗って身動きが取れない。美穂もお母さんもお父さんも目の前にいるのに助けられない。きっと足が潰れている。

「美穂!!美穂!!」

 お願い目を覚まして。

 あぁ、ダメだ。意識が遠のいていく。

 最後に見たのは少しだけ目を開けた美穂の顔だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ