分かりきっている
「ご主人様に恋のアレコレを期待しても無駄だと思いますが。筋金入りの唐変木の癖に本人は寧ろ察しがいいとすら勘違いしているくらいなんですもの」
「………リーシャ・ディーニッヒ」
そして俺がサーシャに虐められている時、ご主人様のピンチを感じ取ったのかリーシャが現れたかと思うとリーシャもリーシャでこの俺に対してディスし始めるでは無いか。
しかもリーシャが現れてからサーシャが親の仇にであったかの様なそれはそれは恐ろしい表情でリーシャを睨みつけるし……。
学生と講師という立場であった時はあんなにも仲が良かった二人が、宮廷魔術師と学園の講師という立場になると何故こうも仲が悪くなるのか。
女心は山の天気よりも分かりにくい。
「ほら、あの表情を見てご覧なさいな。あれは私達の気持ちなど全くもって分かっていない顔をしておりますよ。そんなご主人様に対していつまでも受け身でいると歳とっておばあちゃんになってしまいますわよ?それこそ私みたいに押しかけないと……ね?」
「確かにコイツの唐変木具合は筋金入りだけれどもっ………そ、そんな端ない真似出来る訳がないじゃ無いっ!」
失礼な。
リーシャは魔術バカでサーシャは仕事を回せる程の良い後輩が欲しいだけであろう。
そんな事くらいとうの昔から分かりきっているにも関わらずこの者達は普段からこの俺の何を見ていると言うのか。
むしろこの者達こそ鈍いと言えよう。
「あらあら、そんな事を言っても良いのかしら?」
「ど、どういう事よ?」
「どうもこうもご主人様、新しく可愛らしいお弟子さんを一人取ったわよ?それも、ご主人様を物凄く憧れておりますのでその思いが恋心に変わってしまうのも時間の問題じゃないかしら?まぁ、既にご主人様の奴隷かつ毎日愛されている私には全くもって関係ない話ですけれども、サーシャさんはどうなんでしょうね」
「レンブラントォォォオオオッ!?」
「はいっ私がレンブラントですっ!何でしょうかっ!?」
「レンブラントのファンに手を出して弟子にしたって本当なのかって聞いているのよっ!!」
「あうあうあう」
いやいやいやっ!『聞いてるのよっ!!」って、今日サーシャさんからは初めてファンに手を出して弟子にしたのかという旨の話を今聞きましたしファンに手を出したって表現止めてもらえませんかねっ!?てか、そんなに襟首を掴んで揺すりまくったら非常に苦しいんですけどっ!?首の動脈が明らかに締まっているんですけどっ!?そもそもそんなに揺すられたら言葉も喋れないので言い訳すら言えないんですけどっ!?あ、意識が………っ。




