表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/30

基礎の問題



「で、本日は何をするのですか?教室で出来る事など限られていると思うのですけど」


そう言うレヴィアの顔は「早く実技がしたい」という表情をしていた。


その気持ちは分かるし、俺だってレヴィア程の歳であるのならばそう思っていただろう。


だからこそ、基礎をしっかりと教える必要があると俺は思う。


生徒がやりたい事をただやらせるだけの者もおり、そういったものは比較的生徒から好かれている傾向があるのだが、逆に生徒の大会成績はそこそこといったレベルである。


自主性を重んじ伸び伸びやらしていると言えば聞こえは良いし、確かに偶に恐ろしく伸びる子供達がいるのも確かなのだが個ではなく全体の平均値から見るとやはり低めである。


そして俺はというと、基礎をしっかりと教えるタイプだったりする。


そもそもの話、俺が教える事ができるのははっきり言って基礎部分だけであり、所謂前世の知識を教えるという事だけである。


と、いうわけで実技をしたいというレヴィアには申し訳ないのだが今日から普通に黒板を使った授業をしていく。


「そうだな、今日から恐ろしく殆どをこの教室で魔術の基礎を叩き込んで行くのでそのつもりで」

「魔術の基礎でした全ての属性の基礎は頭に叩き込んでいるので大丈夫だと思いますが?」


そして想像していた通り生意気な事を言い始めるレヴィア。


きっと授業でも同じ様な事を言って格属性の先生方を困らしている事だろう。


その光景が容易に想像できる。


「ほう、言うじゃないか。ならば俺が今から言う基礎を全て答える事が出来ればコレからは外で実技の授業をしよう」

「望む所です」


フフンと胸を反るレヴィアに俺は魔術の基礎、そのまた基礎の問題を出す。


「では炎属性の基礎から。炎はどの様にして燃えているのか分かるか?」

「そんな事など簡単ですね。魔力を媒介にして与えられた魔力と威力を定められた術式によって炎の威力と持続時間が決まりますっ!」


そしてレヴィアは自信満々に答えるのだが、やはり良くも悪くもこの世界での思考で模範的な回答を答えて来る。


「確かに正解ではあるな」

「そうでしょうとも。これでも私、勉強もかなり───」

「しかし俺の出した問題では間違いである」

「なっ!?私の回答の何処が間違っていると言うのですかっ!?」

「まぁ今から何処が間違っているのか教えるから落ち着け」


そして何処が間違っているのか教えろと迫って来るレヴィアを落ち着かせ着席させると俺はズボンのポケットからタバコを取り出すと指先に魔術で火を出してタバコに火をつけてひと吸いし煙を燻らせる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ