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嘘である


「恐らく元から五色満遍なく使えた、神童と言われてもおかしくない程の実力を持つレヴィアさんにとって初めてちゃんと教える事ができる、師匠と呼べる大人に出会ったのでしょう。それくらい許してあげて捧げるのも大人の余裕というものでは?」

「ま、確かにな?俺って大人の余裕のある男性だしな?師匠呼びは許そう」

「ありがとうございますっ!師匠っ!」


そしていつに間にか合流していたリーシャにそう言われて思わず師匠呼びを許可してしまったのだが、何だかリーシャの掌の上で転がされている様な気がするのは気のせいであろうか?


いや、まさか愛しのリーシャがそんな事をするはずが無い。


なので気のせいである。


「では次の修行なのだが………」

「は、はいっ!」


そして修行内容を考えるも何処からどう手をつけて良いものか、何をすれば良いものか全く持って分からない。


そもそも弟子を取るのが初めてという事は人を育てるというのも初めてあるからして、致し方ないと俺は思う。


そんな事を考えながら俺はストレージから綿製のシートを出すと地面に敷く。


「このシートの上に座って瞑想を三十分行って貰う。座り方は自由に座って貰って構わない」

「座って眠るだけ……?」

「ああ。コレが意外とコレからの人生できっと役に立つ。それに、ただ座って目を瞑るのではなく瞑想だ。意外と思考を消し去り無にするのは難しいぞ」


嘘である。


いや、効果はそれなりにあるのかもしれないが前世から合わせて一度も、一秒も瞑想などやった事が無い為、瞑想がどれ程の効果が有るかなどは全く持って分からない。


ただ単に時間を確保して練習メニューを考えたかった為で有る。


「そう言えば、東の国では練習前に瞑想をするという噂を聞いた事がございますわね。丁度いいので私も瞑想をしてみます」

「私も今から瞑想しますっ!師匠っ!」


そして、俺の話を聞いたリーシャが自分のストレージからタオルを取り出すと地面に敷き、その上に座ると瞑想をし始め、そのリーシャに続き何の疑いもせずレヴィアも俺が出したシートの上に座って瞑想をし始める。


他の部活動の音は勿論の事、そに他にも鳥の囀りや風が這う音、その風で揺れる木々の枝葉が擦れる音や雑草を住み所にしていた小動物達が慌ただしく動く音等が聞こえて来る。


普段は気にならないのだが、一度意識してみれば想像していた以上に様々な音が聞こえてくる事に少し驚く。


その音を聞きながら俺は思う。


結局どう教えて行けば良いのか分からないのはこのレヴィアという小娘が何処まで出来るのかが分からないからでは無いのかと。

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