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また一つ賢くなったよっ!

前世で部活の顧問になりたくないと言っていた教師の気持ちが今、俺は痛い程理解出来てしまう。


「それで、どんな修行を始めるのですか?」


そして俺はそんな文句を言い続ける心の声を無視してレヴィアを練習様闘技場へと来ていた。


ちなみに他にもある闘技場は他の部活動等に既に奪われており、唯一残っているのが学園の端にあり、草が生え放題、観客席は穴だらけ、地面も穴だらけの闘技場だけであった。


しかしながら借りられただけで運が良いと思う事にする。


競争率が無い不良物件ではあるものの個々をこの俺でも長期間借りられる事が出来たのだから。


それに、メンテナンス等は全て練習と銘打ってレヴィアにやらせれば良い上に、学園の端っこにあるという事は即ち俺の私物化している教室からも近いという事である。


だから、そんなキラキラした目でレヴィアから指示を仰がれたら埃被った俺の良心が痛むからやめて欲しい。


「そうだな、まずはこの闘技場の生い茂った草をどんな方法でも良いから綺麗サッパリ消し去ってくれ」

「何だ、そんな事で良いのですか?」


そしてレヴィアはそんな事を言うと風魔法でシュパシュパと雑草をどんどん刈っていくと、小一時間もかからず闘技場の雑草を刈り尽くして俺の元へと戻ってくる。


本当は二時間程サボれるかなーとか思っていた俺の計算が早くも崩れ去ったとも言う。


しかし、農業を経験していればこの刈り取るという方法は意味がないという事くらいは分かると思うのだが、どうやらレヴィアは農作業を携わった事が無いのであろう。


「消し去れと言ったにも関わらず刈り取った後のゴミはどうするんだよ?」

「はっ!す、すみませんっ!師匠っ!」

「まぁ良い。今回は俺は回収しておくから」

「ありがとうございますっ!師匠っ!」


そして俺はレヴィアが刈り取った雑草を風魔法でダイソンもビックリするほどの勢いでストレージへとぶち込んでいく。


雑草は雑草で別途使い道があるのでコレはコレで有難いのだが、流石に無視できない事をこの小娘は先程から口にしているので流石に突っ込む。



「それで、一つ気になる事があるのだが、その師匠っていうの何だ?」

「?師匠は私の師匠だから師匠ですよね?」


そうコテンと可愛く首を傾げて言っている意味が分からないとほざいてくるレヴィア。


悪気が無いと理解しているのだが、だからこそ腹が立つというのも世の中あるのだと俺は今日初めて知った。


やったね。


また一つ賢くなったよっ!ってやかましいわっ!


「いや、流石に師匠呼びは恥ずかしいのだが?」

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