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第2話 天才との出会い

 10年前の10月頃、とある幼稚園にて――


 元気の良い先生が、児童の前で今日の授業を説明していた。


「今日はみんなの夢を絵に描いてもらいます! いいですね?」


「「「「はぁーい!!!!」」」」


 子供達は皆、楽しそうに絵を描いていた。

 先生もその光景を見て、微笑ましく思っていた。


 その子供達の中に、新太はいた。


「んっ、しょ・・・えへへ」


 新太は絵を描くのが好きだった。

 そしてその才能は5歳にしては高く、子供達の中でも頭ひとつ抜けていた。


「わー、あらたくんのえじょうず!」

「しゅごーい!」

「みせてみせて!」


 新太は自分の絵が褒められてちょっぴり照れくさく、すごく嬉しかった。

 その才能に先生も感嘆の声を上げる。


「新太くん本当に絵が上手ね! 将来は画家になれるんじゃないかしら?」


「えへへ・・・そんなことないよ」


 そんなことを言いつつ、内心では自分が画家になることを確信していた。

 これだけ褒められればそう思うのも当然だった。


 そう、この時までは・・・




 ・・・・・・・・・・


  ・・・・・・・・


   ・・・・・・





「さて、みんな描き終えたかな?」


「かけたー」

「せんせいみてみて!」

「ぼくのもみてよー」


「はいはい、みんなの絵は飾るからね〜」


 そして、みんなの絵を後ろの壁に貼り、先生は一つずつ見ていった。


 消防士、警察官、ケーキ屋さん、花屋など様々な絵が並んでいた。

 だが、やはり新太の描いた絵は上手い。

 それは新太も思っていることだった。


(やっぱりぼくの絵がいちばんだ!)


 そう思っていた時だった。


「うーん、みんな上手ね〜・・・でもやっぱり新太くんの絵が一番うま――」


 ある1枚の絵を見て、先生の動きが突然止まった。

 子供達も皆不思議に思い、先生が見た絵に目を向けた。

 そこに描いていたのは、




『タイトル:逆玉に乗って、楽して生きていく俺』




 と書かれた、札束風呂に使っている男の姿。

 しかも新太の絵のクオリティより断然高い。

「あれ、写真?」と思うほどのリアリティのある絵。明らかに頭10個は抜けている。


 だが、それよりも内容である。


「えっと・・・これは・・・」


 先生も頭が追いつかない。

 一体誰が描いたのか。名前を見てみると、


『なまえ:天堂 才我』


 きっちり漢字で書かれたその字を見て、先生は驚いた。


「えーっと・・・才我くん?」


「ふぇ〜い・・・」


 なんともやる気のない返事の子供。

 そう、天堂才我 当時5歳である。


 才我はこの幼稚園の職員ならば知らぬものはいない。

 なにせ実施したIQテストで200を超えた天才少年なのだから。


 だが、才我はこの時はまだ本性を現していなかった。

 だからこそ、まさか才我がこのような絵を描いてくるとは思っていなかったのだ。


「才我くん・・・君の夢は?」


「楽して生きることです」


「ら、楽して?」


「はい、このご時世、馬車馬のように働かなくちゃ生きていけないじゃないですか?

 そうなりたくないんで、逆玉に乗ろうと思って・・・」


 先生はこの時思ったのだ。


(あ、こいつヤベェやつだわ・・・)と。


 そして、先生をよそに衝撃を受けたものがもう一人。


(な、なんて画力!)


 新太である。

 画家になりたい。そう思っていた彼は、才我の絵の才能を見て思いしらされたのだ。


 上には上がいる。


 生まれてから5年、早めに味わった挫折であった。


 ・・・・・・・・・・


  ・・・・・・・・


   ・・・・・・



 そんなことがあった10年前。

 その後、俺は事あるごとに勝負を挑み、負け続けた。

 それでいつの日か尊敬してしまったんだ。才我の才能に。

 だから俺は、こいつに着いていくと決めたのだ。


 けど、その天才は・・・


「やっぱさ、俺からガンガン行くしかないのかな?

 年上の社長を狙うか? それとも社長令嬢の方がいいかな?」


 ・・・こんな感じである。

 才我は世界を背負って立てるほどの才能がある。

 それを今、ヒモになるために使うという神をも恐れぬ所業を犯そうというのだ。


 何としても止めなければならなかった。


(才我、絶対にお前の目を覚まさせてやるからな!)


 今日も親友(新太)による、天才(才我)をまともにするための戦いは始まっていくのだった。

僕の子供の頃の夢は、アバレンジャーになるでした。

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