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ダンジョン(雷)

 ここに来て半年が過ぎた。

今までいろんなダンジョンに行った。

今回は雷のダンジョンらしい。

もちろんダンジョンの地図は頭に入っているが地図だけではどんなトラップが仕掛けてあるのか分からない。

師匠に聞くとかなり地味なダンジョンらしい。

その上かなり嫌らしいダンジョンなのだそうだ。

ちなみに僕の持っている地図は師匠が1人で開拓したものらしい。

一般の人たちにとっては未開のダンジョンも多数ある。

一体師匠エグザは何者なのか、考え出したら切りがないので今は深く考えないようにしている。


 さて、いつものように早朝にダンジョンの入り口に集合、いつものメンバーで出発の予定だ。

俺はやることも特にないので一足早くダンジョンの入り口に着いた。

続いてやって来たのが勇者見習いのカレアラだ。

まだ集合時間より1時間以上も早い。

カレアラは

「君は他の誰よりも集合場所に来ているね。

私は君と2人で話をしてみたかったんだ。

2人になる時間がなかったからね。

冒険以外会うことはないし」

そう言って僕に話しかけてきた。

約束の時間まで1時間以上もあるし俺も暇つぶしにその話に乗ることにした。

カレアラは

「君は師匠の一番弟子らしいな。

一体何処で師匠と出会ったの?」

俺はそう聞かれるとかなり困った。

どうやら彼女たちは俺が師匠の一番弟子だということになっているらしい。

話を合わせるのもいいがかなり面倒い。

俺が困りあぐねているとカレアラは

「まぁ、いいや。

ところで君は武術の達人らしいな、師匠から聞いたところ。

師匠にはかなわないらしいが今まで帯同してきた様子を見るとかなりの達人のように見える。

頭もかなり切れるし、君は一体どういう人生を歩んできたんだ。

見た目は10歳の少年のように見えるが君は一体何者なんだ?」

凄く鋭いところを突いてくる。

俺はだんまりを決め込むことにした。

下手に言い訳をしようものなら矛盾を突いてくる。

この人はかなり頭が良いんだと俺は思った。

そうこうしていると残りの2人が到着し俺たちは出発した。


 ダンジョンの中はかなり暗い洞窟といった感じだ。

俺たちはいつものように雷耐性の装備をしている。(俺はしていないが)

気をつけなければいけないのが決して壁を触ってはいけないこと。

壁には高圧電流が通電している。

普通の人間が触ったら一瞬で死ぬレベルだ。

雷耐性の装備をしているからと言って油断してはならない。

この世界で雷耐性の最高の装備でも安心できないレベル。

もちろん俺が用意できる装備でも。

地味に怖いのだ。

そしてもっと怖いのが所々光っている道がある。

そこは決して入っては行けない場所。

壁以上の高圧電流が常に流れている。

そしてひとたび人が入ればどこからともなく雷が発生し冒険者を仕留める。

後は詳しいことは言わないが自然の摂理だ。

地味だが非常にやばいダンジョンだ。


 今回もダンジョンの奥深くに行く必要性がある。

ここで問題になるのが高圧電流だ。

さて、今行き先ををふさぐ大きな岩がある。

どうやったってこの岩を登るしか向こうへ行く方法はない。

しかもこの岩も高圧電流が通電してある。

生身の人間が行くにはかなり危険な道だ。

そこで俺は師匠からあることを言われたことに気がついた。

「今回のダンジョンは危険だから、多少の地形の変化は目を瞑るわ。

安全に魔獣の観察が出来るように工夫して進んでね」

師匠がそう言っていた。

俺は考えた。

そうだ、トンネルを作れば良いんだ。

俺はそう思うと同時にリュックからトンネルを作る道具を取り出した。

時間はかかるがそれしか方法はない。

他のメンバーも協力をもし出されたがこれは俺にしか出来ない。

なぜなら人間が道具を使ってトンネルを掘ろうとすると高圧電流の餌食になる。

俺は幸い雷耐性の体。(全ての属性に耐性を持つのだが)

そして痛みを感じることのない体なのだ。

他のメンバーは食事も取っていなかったので食事タイムと休憩タイムを取ってもらうことにした。

協力を申し出るメンバーたちにはこれはシェルパのとしての仕事だから邪魔をしないで欲しいと言って誤魔化しておいた。


 1時間ぐらいしてようやくトンネルを掘ることが出来た。

他のメンバーは拍手で迎えてくれた。

そこからしばらくして目的の魔獣に出会った。

例のごとく魔獣を刺激しないように隠れての観察だ。


 俺はそれがライオンに見えた。

やはり例のごとく幻の魔獣のようだ。

地球と違うのは恐らく小型犬ぐらいの大きさ。

かなり小さいのだ。

捕食の仕方はかなり魔獣らしい。

肉食の魔獣らしく自分より小さな魔獣にどこからともなく雷を打ち捕食するのだ。

見た目はライオンのぬいぐるみのようだがかなり攻撃はえぐい。

俺たちはたった一匹のそのライオンを一週間観察した。


 ちなみに一番怖かったのはこのライオンの鳴き声だ。

時々なのだが機嫌が悪い時なのかかなり大きな鳴き声でなく。

鳴き声と言うより吠え声なのだがこれがかなりでかい。

耳をふさいでも凄いのだ。

普通の人間なら失神するレベル。

幸い俺たちメンバーは鍛えられているので失神することはなかったが吠え声と一緒に雷も口からで放出される。

これがかなりの威力。

俺たちは避けるのに精一杯。

何度も死ぬ思いをした。(俺は死なないのだが)

もう二度とこのダンジョンには入りたくないと俺は思った。


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