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 俺はピンチに陥っていた。

人生初めての大ピンチ。

どうしたものかと思案していた。


 さて、その前に俺がどういった人物なのか分からないだろうから自己紹介をしよう。

俺の名前は能多のうだ 拳汰けんた

これでも小さいながら不良グループを束ねるリーダーだ。

仲間が敵対するグループに拉致され俺はしてされた場所に助けに来た。

しかし、それが罠だった。

しかも拉致された仲間も敵対するグループの協力者だったのだ。

しかも周りには俺の仲間だった奴らが囲んでいた。

つまり俺は裏切られたのだ。

俺は仲間だったやつの1人に

「なぜこんなことをするんだ。俺がかなりの面倒を見てやっただろう!!」

と叫んだ。

そうしたら仲間だったやつの1人が

「あんたのやり方は生ぬるいんだ!!俺たちは悪いことをするために徒党を組んだはずだ。それがなんだ!!人を傷つけるな!!罪を犯すな!!人に迷惑をかけるな!!って俺たちはボランティアグループじゃないんだ!!お前のやり方は息苦しいんだよ!!これからは俺たちの好きなようにする!!」


 はっきり言ってその言い分にはビックリした。

俺は人に迷惑をかけるのが嫌いだ。

俺は決していい人ではない。

顔は強面だし、腕っ節も強かった。

気がつくと自然と不良仲間が出来ていた。

俺はそいつらにまともに人生を全うして欲しいと思い最低限の人としてのルールを教えてきたつもりだ。

周りに疎まれながらもまともに生きられる術をそいつらに教えてきた。

まさかそれが恨まれる原因になるとは。


 そういう考えがほんの一瞬だけ浮かんだ時だった。

その一瞬を掴んで誰かが俺の頭を殴った。

一瞬だがそれ拳ではない、堅い何かの鈍器のようだった。

俺は思いっきりアスファルトの上に勢いよく倒れ頭をぶつけた。

そのとき、周りは「やり過ぎじゃね?」などという声が聞こえてきた。

あと、何か周りが騒いでいたような気がしたが俺の意識は薄れつつあり良く聞き取れなかった。


 気がつくと俺は見たこともない場所にいた。

そうか俺は死んだんだ。

短い人生だったな。

16年か、俺の人生。

自分の人生をしばらく顧みていた。


 それから自分の人生を回顧した後しばらく周りの光景を眺めていた。

そうか、ここが天国という所か。

いや、自分のやって来たことを顧みるとここは地獄なのかもしれない。

そう思いながらしばらく立っていた。

いろんな方向の景色を見ていたら突然、俺のすぐ隣に男が立っていた。

俺は思わずのけぞりビックリした。

というのもその男の気配が近づくまでなにもしなかったからだ。

その男は着物らしきものを着て、従者の女の子も連れていた。

俺は思わず

「お前は誰だ!!」

と声を荒げて聞いてしまった。

そうするとその男は

「おめでとうございます。あなたは善行ポイント1億ポイントに到達しました。あなたの世界では初めて神となる資格を持ったのです。」


 「はっ!?」

と思わず俺は叫んだ。

なぜなら俺の質問とは関係の無い意味の分からない返しをしたからだ。

俺の怪訝そうな表情を見たからかその男は改まってこう切り出した。

「コホン、え〜と、まずは自己紹介からしましょう。私の名前はブノージソン、一応この世界でのあなたの上司になります。私自身はどういうものかというと、一言で言うと神です。そしてあなたは私の指導の下、神になる資格を得たのです。」

俺は

「ちょっと待ってくれ。俺は言っちゃぁなんだが不良だぜ。善行ポイントていうのがなんだか分からないが一億ポイントも貯まるわけがない。」

と反論した。

そうするとその男は

「君は何かを勘違いしているようだね。なにも今回の人生で1億ポイント全て貯まったわけじゃない。君は覚えてないだろうけど何回も何回も転生している。その全ての人生の善行ポイントがちょうど1億ポイントに貯まったというわけだ。ちなみに今回の人生はリーチ状態、少しでもいいことをするとすぐに達する状況だったというわけさ。」

俺が呆然と聞いていると

その男は

「さぁ、これから神になるための修行を始めなければいけない。君たちの世界には地獄という考えがあるみたいだけど、実際僕たちの世界にはそんなものは存在しない。修行が足らなければまた記憶を消して転生させるだけだからね。ただ、君は神になる資格を持っているわけだからこれからは転生するにしても記憶を消されることはない。ただし、これからの修行は君たちの考える地獄よりもきついかもね。」

と冗談めかして言った。


 これから俺はどうなるのだろうととても不安に思った。

 






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