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セッティングフェイズ

昨夜から執筆を始めましたら、翌日某カードゲームのルール変更にショックを受けたので、投稿しました。

「ダウジングクリスタルで隠密状態を無効化。必中の矢でアルスにとどめ」

 

 俺は今幼なじみのクリスタとカードゲームをしている。

 まあ、負けたのだがな。

 

「相変わらずそのアイテム強いな。不意討ちを封じるなんてな」

 

「このアイテムにだって弱点はいっぱいあるよ。例えば単純火力で攻められると即死だし、アイテム封じを使われたらただの飾りにしかすぎないし。

 正直に言って、アルスは弱い。カードじゃなくてアルス自体が弱い。弱いったらありゃしない」

 

「何もそこまで言わなくてもいいだろ」

 

「そんな事いたって、昔はアルスのほうが強かったんだからこれぐらい言いたくなるよ」

 

「明日また勝負してくれ。次は必ず勝つ」

 

「強くなってから来てね」


 俺はクリスタの部屋を去った。

  

「アルス、お主また負けたようだな」

 

 クリスタのおじいさんのハロルドだ。逞しくとも、優しさに溢れた人だ。


「昔は勝てたはずなのに、久しぶりにやったらぼろ負けだよ。あの時はどんな戦術で勝ったか思い出せればなあ」

 

「部屋の掃除をしていたら、こんなカードが見つかった。お主のだろうから渡しておく」

 

 渡されたカード名はfirstlibraryだ。

 魔導書型のアイテムのようだ。見覚えが無かったので、効果を読んでみた。


  ・収集することで、術を発動できる。

 ・ただし、MPは元々の数値分必要になる。

 ・条件を満たすとカードが書き変わる。

 ・条件※※※※※※


 使い道が分からない。普通の魔導書型のアイテムは時間こそかかるが、ゲームエンドにまで持っていけるカードが多いのだが、これは攻撃にも使えない。かといって防御にも使えない。それに、テキストが汚れていて読めない。

 何よりも問題なのは、ゲーム用語にない収集なるものがテキストに書かれていることだ。

 

「ハロルド、これってオリカじゃないか?」

 

「そう思うならば、ドクターにでも聞いてみれば良かろう」

 

 ドクターと言うのは、俺の父親のアランの事だ。アランはこのカードゲームの初期開発メンバーの一人だ。それと、唯一全カードのデータベースを確認できる人だ。

 カードなんだから発売した時点で、公式で発表してなくともコアなファンがwikiでデータを纏めているはずだと思うかもしれないが、それは無理なんだ。理由としては、元々はアランが開発した人工知能"rinne(リンネ)"にアクセスすることで初めてカードが生成されるという、非常に凝った作りのせいで、アラン以外が知ることが出来ないというブラックboxとなっている。

 流石に、そんなカードゲーム性が問題で、傷害事件や、強盗事件などが起きたので、過去に生成されたカードの中からバランスの取れたカードのみを収録したパック SECOND(セカンド) EDITION(エディション) (通称SE)が発売された。このSEはリストが公開されていて誰でも知ることができる。

 結局初期のリストは公開されていないため、偽装防止の為公式大会等では"rinne(リンネ)"による正規確認が行われる。

 

「それもそうだな。また来るから鍵を開けておいてくれ」

 

 

「成る程、正規確認をしたいんだな。この端末に載せてくれ」

 

「人工知能"rinne(リンネ)"起動しました。

 対象物の解析を開始します。

 ……解析が完了しました。

 カード名 first library

 部類 アイテム

 効果 ※※※※※※。

 当カードは正規品です」

 

「このカードは本物だ。堂々と使っても良いぞ」

 

「ちょっと待ってくれ。正規品なのに効果が分からないなんておかしいんじゃないか?」

 

「厳密には、効果がまだ決まっていないんだ。自己学習型のアイテムにはそういう特徴がある。オカルトかも知れないが、そのカードには知能が宿っている。"rinne(リンネ)"と同等の物がな。あまり気にすることじゃない。

 だが、アルスの持っているカードの中では唯一のFARST(ファースト) EDITION(エディション)だから、特殊な能力を持っているに違いない。アルスは昔それを使って全国二位まで行けたんだからな。カードの使い方は私には分からないから聞かれても困る」

 

「とりあえず決闘(デュエル)してくれ」


「なら私は魔法デッキを使おう。アルスはその隠密デッキを使うのか?」

 

「いや、farst libraryの使い方を調べたいからハイランダーデッキを使う」

 

「では始めようか」

 

「「決闘デュエル!!」」

 

「先手は私がいただこう。ゲーム開始時に互いのプレイヤーはデッキからアイテムカードをセットできる。私はこれにしよう。アルスはどうする?」

 

「当然セットするに決まっている」

 

「分かった。ゲームを開始しよう。

 互いに5枚ドローする。

 セッティングフェイズ。私はclass1の賢者見習いぺリスをサモン。セットアイテム高速復唱の書物を起動して、ぺリスに装備する。効果によりぺリスが倒されない限り私は相手ターンでも魔法が発動できる。ターンエンドだ」

 

 アランの手札は4枚。場は下級カードが1枚と強力なアイテムが1枚ある。アイテムの効果でこっちのターン中でも、カウンター攻撃ができるようになった。非常に厄介だ。

 

「俺のターンドロー」

 

 俺の手札はclass1のカードが2枚とclass2のカードが2枚と、class3と6のカードが1枚ずつある。このclassと言うのは、言わばカードの使用できる順番である。

 class1を使ったらclass2を使えるようになると言うものだ。そうやって繰り返していくとどんどん強力なカードが使えるようになっていく。

 因みに、1ターンに使えるカードの枚数は決められていない。

 

「セッティングフェイズ。俺はclass1の辺境の村人アルムをサモン。このカードは攻撃を放棄することで、デッキからclass1のアイテムをこのカードに装備する。俺はカタパルトを装備。カタパルトを起動。カタパルトの上に手札のカード1枚を表向きに置く。次の俺のターンに射出できる。class6の石の番人を置いてターンエンド」

 

「成る程、危険を防ぐために遠距離からの攻撃をしようとたくらんでいるのだろう。いい判断だ。

 私のターンドロー。

 セッティングフェイズ。私はclass2魔力ジェネレータをぺリスに装備。これにより、ターン終了する度に魔力を回復する」

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