満朝警備保障の艦艇
山口多聞様主催の
架空戦記創作大会2016秋
参加作品
2014年8月15日
満州共和国南浦港
満朝警備保障平壌支社南浦港営業所の船ドッグ
そこに初代満州共和国大統領 現満朝警備保障の会長の柊と
南浦港営業所に配属になった1人の警備員がいた
「これが、中型武装警備艇釜山」
(どっからどうみても、フリゲートだろ)
「こっちが警備潜水艇ポルス」
(あくまで、潜水艇ね、潜水艦だと思うが)
「これが小型武装警備艇高西、そっちが高東」
(どうみても駆逐艦、いや水雷艇です。ありがとうございました)
「そして、これが、ヘリ搭載型警備艇仁川」
(それは無茶ありすぎ、どう考えても、ヘリ空母だろ)
「っで、こっちが、航空機着陸式輸送警備艇」
「柊会長、これ、完全な空母でしょ」
「やっぱり、航空機着陸式輸送警備艇じゃ無理あるか」
「無理どころか、小型武装警備艇2隻を除けば、明らかに艇じゃなくて艦でしょ」
「いくらの寿司食いたいの」
「それは軍艦巻きでしょ」
「だって、民間武装警備会社なんだからさぁ」
「フリゲート艦や潜水艦、ヘリ空母に、事実上の空母、どうやって仕入れたんですか」
「潜水艦はロシアと関係が良かった頃に貰って、フリゲート艦と航空機着陸式輸送警備艇は、日本でスクラップ処分する奴を、石油で買い取って、ヘリ空母は、フランスに金払った」
「資金源は」
「私の財布から」
「これじゃあ、民間海軍ですよこれじゃ」
「海賊対策にはいいだろ」
「いや、いいとかそういう話じゃ、ってよくよくみれば、あの事実上の空母、あれってよくよくみれば、この前、満州共和国が購入した済州じゃないですか」
「ああ、よくわかったね」
「わかったねじゃありませんよ、満州共和国海軍の空母がないことに」
「君、民間登用組だから知らないだろう。実は、満州共和国海軍は米国から、ガスタービン式空母を格安で売ってもらったんだよ」
「アメリカから」
「ああ、まぁ、正確には日本に売った原子力空母を返却されてガスタービン式空母にしたと言う」
「日本で蒼龍と言われてた」
「うん」
「と言うより、分かり難いですよね」
「うん、私以外、理解できている人は、多分10人いるかどうか怪しいからな」
「そうですか」
その時、一人の営業が来た
「会長」
「んっ、どうかしたのか」
「我が満朝海上警備の初仕事です」
「そうか、依頼したのは」
「中華連邦です。中東から石油タンカーの護衛任務をお願いしてほしいと」
「そうか、じゃあ編成頼むぞ」
「了解、民間警備艇で艦隊を組んで見せますよ」
「君、警備艇で艦隊じゃないだろ」
「あっ」
柊の注意に、営業は気づいた。
そして柊はこういった
「警備艇で護衛編隊だ」
「申し訳ありませんでした」
(正直、この会社の将来が心配だ)
「新人、この会社は、軍のあり方を変えるきっかけになる、君にも期待してるよ」
新人の不安をよそに、民間護衛艇隊は出動任務に入っていった
終わり