らいほうしゃ。
飛び出したのはいいが、どうしようもなく
近づく刃に身が縮こまる。
その瞬間、眩い光で周りは見えなくなる。
(斬られるっ…)
ぎゅっと目を閉じていたが、痛くない。
(あれ?おかしいな。)
不思議に思い、目を開いたら私の手には二丁の拳銃があり、それで剣を防いでいた。
「え、なにこれ!?」
私は状況がつかめず慌てた。
「やっぱり仲間だったんじゃないか!!」
少年は剣で銃を振りはらい再び斬りかかろうとした。防ぎたいが足が震えて動けない。
(危ない!!)
その瞬間に近くから窓ガラスが割れたような大きな音がした。
しかし、窓ガラスが割れたようなではなく本当に割れていた。
少年と少女、私たちは割れた窓ガラスの方を見た。
「ふぅ、何とか間に合いました〜よかったですぅ〜。」
「これは間に合ったっていうの?まあいいか、真王も無事だし怜も無事だし…お、花織も無事みたいです。」
不思議なふわっとした衣裳をまとった少女とキチッとした英国風の衣裳を着た少年がそこにはいた。
「アルム…ユリウス……、また王達のお迎えか?」
金髪の少年は憎々しげに2人に言った。
「まあ、そんなとこだよ。お前こそ王達のストーカーなの?」
愉快そうにユリウスと呼ばれた少年は尋ねた。
「ストーカーだと?僕を侮辱するな!!」
すると、怒っている少年の腕を黒髪の少女が引っ張った。
「もう帰ろう?疲れた。」
(少年と違い、ずっと座って様子を眺めていただけなのに疲れるって……)
とりあえず助かると思いほっとした。
「でも、こいつらは僕を侮辱したんだ!!始末しなくちゃ!!」
少女は呆れたように少年を見た。
「帰ろう?私は疲れたって言ったのよ。」
少女の眼光はするどく、少年の顔は恐怖にゆがんだ。
「あ…ああ、帰ろう。」
少年は少女と一緒に窓から出て行った。
「ふぅ…なんだったのよ、いったい…。」
私はペタンと膝をついた。