あう。
ねぇ 怜のことが好き?
その問いかけに迷いなく答えることができる自分がいた。
好きに決まっている。
そして景色が定まる。
真っ白で何もない場所。
そして目の前には知らない男が立っていた。
「やあ、はじめまして。こんなところで人に会うのは久々だよ。」
銀髪の男は
鏡に映した自分のように似ていた。
「お前は誰だ?」
なんだか自分に似ている人物を目の当たりにすると気色が悪い。
「僕のことはどうでもいいんだ。怜を救いたくはないの?」
教えてくれる気はないらしい
ムカつく野郎だ
だが確かに怜の方が優先だ。
「知っているだろう?御伽噺ではお姫様が目覚める時、王子はどうする?」
そりゃキスだろう
そんなのは聞くまでもない
「そう、それを怜にもすればいいのさ。」
それ?
ああ、キスか……って冗談じゃない‼︎
ここは御伽噺の世界じゃないんだ、キスで目覚めるわけないだろ
「目覚めるよ。だって怜が目覚めないのは僕が術をかけておいたからだもん。あの子が闇堕ちしないようにかけておいた術だ。」
しれっと言いやがった。
闇堕ちってなんだ?
それは確か怜が倒れた時にも聞いた言葉だ。
「闇堕ちは人の感情を奪ってしまう。善悪の判断なんてない、ただ破壊したいという本能が強く出てくる。
そうして自分にとって大切だったはずの存在さえ関係なく壊してしまう。」
男の姿が次第に薄れていく。
そして男は微笑んで手を振った。
「怜を任せたよ、彼女を守ってね。」
言われなくてもわかってる
そのためには俺も力をつけなくてはならないだろう。




