なやみ。
パーティ前日、ドレス選びや準備で城内は慌ただしかった。
ユリウスは相変わらずにこやかに仕事をしていた。
「こちらのドレスはどうですか?」
「うーん、よくわからないわ。」
尚や花織も衣装選びで忙しそうだった。
「じゃあ、これは?」
ユリウスが見せたのは綺麗な刺繍がはいったドレスだった。
「わあ、素敵。」
「お似合いになると思いますよ。こちらの白地に赤が所々入ったドレスも怜様の赤い瞳に映えて似合うと思いますが。」
「うーん……こっちの刺繍のはいったドレスがいいな。」
「わかりました。ではドレスは決まったのでダンスの復習をいたしますか?」
相変わらず皆は忙しそうだったし暇なのでユリウスの申し出に甘える。
庭で練習することにした。庭と言ってもかなり大きい庭だ。広場と言っていいぐらいの大きさだった。
「怜様、随分と上手になられましたね。」
「え、本当!?ユリウスのおかげだね、ありがとう。」
ほんの一瞬だけ呆気にとられたような顔をしたが、すぐに元どおりの笑顔に戻った。
「では、僕は準備を手伝ってきます。」
私はユリウスを見送って、部屋に戻った。バルコニーから街を眺める いつも以上に賑わっていた。
-コンコン
「入ってもいいか?」
その声は尚の声だった。
「どうぞ。どうしたの?」
尚は私と同じようにバルコニーから街を眺めた。
「あ、あのさ パーティで おっ、俺と一緒に踊ってくれないか?」
「へ?」
「だからっ パーティで俺と一緒に踊ってくれ‼︎」
そうだった パーティに参加するのにダンスのパートナーがいなくてはいけないことをすっかり忘れてしまっていた。
「いいわよ。パートナーが必要なこと忘れていたわ。」
尚はぱっと笑顔になって私の手を鷲掴みした。
「やった‼︎ありがとな‼︎また明日迎えに来るから。」そう言って部屋を出て行った。
盛大なパーティらしいから恥をかくのは嫌だし参加したくないなとぼんやり思う。
街を眺め、ウェスタの記憶を思い返す。
ウェスタもこの景色を見ていたのだろうか。そう思うとなんだか不思議に感じた。
ウェスタは何を思い、何を託し、何を愛したのだろうか。
ユリウスとウェスタはどういう関係なのだろうか…ウェスタにはショウという婚約者がいた。きっとユリウスはそれでもウェスタを好いていたのだろう。
じゃあ私にあんなことをした理由はなに?彼は私がウェスタに似ていると言った。ウェスタに似ているから?そうやって考えていてもきりがなかった。もやもやと悩み、頭が爆発しそうだった。




