おさななじみ。
いつも通りの朝の喧騒、友達との会話
私はこれが好きだ。いつもの幼馴染にあたる2人との登校。
「怜、おはよう」
ふわふわとした声で私の幼馴染の一人である伊邪那花織が家に迎えにきた。
「おはよう、尚を迎えに行きましょ。」
尚も幼馴染の一人で神武尚という。
「うん、ちゃんと起きて仕度できてるかな?」
少し期待しているのか楽しそうな様子の花織とは違い、私は何時ものパターンを思い浮かべ 気が滅入っていた。
「うーん、どうかな 多分できてないと思うけどね。」
いつもたくさんのバリエーションで尚はお出迎えしてくれる。
昨日は部屋の中まで迎えに行ったところ、部屋は物で溢れかえり 尚は埋れてなかなか助け出すのに苦労した。
花織は今日は何が起こるのだろうとわくわくしているのだろう。
「ふふ、そうね。」
数分で尚の家に着く。
ガチャッ
すごい勢いでドアが開いたかと思うと尚が出てきた。
「どうだ!!俺だって仕度ぐらいできるんだぜ」
制服はよれよれ、ネクタイが見当たらない。
なるほど、今日はこうきたか…
だが残念なことにやっぱり完璧ではなかった。
「尚、ネクタイが無いわよ。」
花織は唖然として尚を見ていた。
「げっ!!どこにしまったかな?」
私達は呆れてなにも言葉が出なかった。
今回も時間がかかりそうである。