ばんがいへん、いきがい。
ふと目を閉じてみると昔のことを思い出す。
どれぐらい昔のことだっただろうか、それさえも思い出すことができない位かなり古い思い出だ。
僕が暗殺の仕事をしてた頃だった。
僕には親がおらず暗殺者が僕の親代わりだった。
人を殺せば殺すほど感情というものがわからなくなる。
ふかく暗い、闇の中だった。
光が一筋も見えなかったあの頃は、ただただ依頼を受け人を殺した。
ある時、街を歩いていると前から歩いてきた女に、すれ違いざまに声をかけられた。
「お前、昔の私とそっくりの目をしてるね。」
女はそう言って何もなかったように歩き出していた。
その日の依頼をいつも通りにこなし、帰ろうと振り向いた瞬間、自分が後ろをとられていたことを知った。
「お前、いつからそこにいた。」
後ろに立っていたのは街ですれ違ったあの女だった。
「最初からだよ?」
どうしてこの女からは、気配を感じ取ることが、できなかったのだろうか。
何より、この余裕のある態度が気に食わない。
「不思議そうな顔だね、私も昔は暗殺者と変わらない生活だったからね。」
「お前何者だ?」
女はくすりと笑った。
「第一の真王付きウェスタだ。」
その言葉に驚きを隠せなかった。
真王付きといえば潜在能力が高く、天才の中の天才と呼ばれるほどの実力者だ。
「で、お前が真王付きだったとして何の用だ。」
女の雰囲気がスッと変わる。
「君を連行する。」
ぞっとするような低い声、冷たい目でそう女は言った。
「それに従わなかったら?」
そう尋ねてまっすぐ女の方を見ると女の姿がそこにはなかった。
あたりを警戒してうかがっていると首筋に光るものが当たる。
それはナイフだった。
「君を殺すことになるね。」
女はにっこりと笑って答えた。
しばらく沈黙が続き、女は尋ねてきた。
「それで…どっちを選ぶんだい?ここで殺されるか、連行されるか。」
ため息をついて片手を上げる。
「わかった。連行される方を選ぶ。」
女は俺の言葉にパッと笑顔になり、目を輝かせた。
「うんうん、賢明な判断だね。」
女はにっこりとまた笑ってナイフをしまった。
そんなこんなで、ウェスタに連れて行かれた先は立派な城だった。
「君にはここで生活してもらうよ。」
いま、耳を疑うような言葉が聞こえた気がする。
「………………はぁっ!?今なんて言った!?」
女は面倒だと言わんばかりの顔でこっちを見た。
「だからここで生活してもらうって言ったんだよ、そしていろんなことを学んでもらう。」
女はにっこりと笑って歩き出した。
「頑張れよー、たくさん学びなさい。」
そんなこんなで僕の暗殺者としての生活に幕が下りた。
あれから6年後、僕は15歳になり ウェスタは18歳になった。
今、僕はウェスタ様のご命令で、新兵の指導をしたり騎士隊長をやっている。
訓練が終わった午後、自分の部屋に帰ろうと歩いていた。
歩いていると草原にウェスタ様が座って何かをしていた。
「何をなさっているんですか?」
僕に気がつくと、手にあったものを見せてくれる。
「小鳥だよ。人懐こいみたいでね。ほら、手のひらの上で可愛らしく動くだろう?」
随分と楽しそうに笑った。
「ところで、どうかな調子は?」
「いつも通りですよ。」
ウェスタ様は少し顔をうつむかせた。
「ふと目を閉じると昔のことを思い出すよ。
君を無理矢理連れてきた日のことをね。
暗殺者だった君を放っておけなかったんだ。人を殺せば殺すほど、自分を見失いそうになるだろう?
でも無理矢理連れてきてしまって、悪かったなと今更ながら思うんだよ。」
彼女は切なそうに笑った。
「僕は今が一番幸せですよ。
あなたには感謝してるんです。
あのまま暗殺者であれば、いつか僕は壊れていたでしょう。
あそこはとても暗かった……。」
そう答えると彼女はふふっと笑い、ありがとうと言った。
そう、僕はとても感謝している。
何もかもが、どうでもよくなっていたあの頃は、生きがいもなくただつまらなかった。
だが、今は違う
ウェスタ様のそばにいたい。
騎士の誓いをたてユリウスという名をもらった。
そしてウェスタ様を守り抜くと決めた。
それが僕の生きる意味。
ユリウスとしての生涯だ
読んでくださりありがとうございます。
ユリウスのちょっとした昔話を書かせていただきました。
それにしても、文才ないですね
惚れ惚れするほどに
自分でキャラ設定の通り、絵を描きたいんですけど 描けないんですよね
誰か…描いて…




