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刹那の記憶  作者: りりぃ
第3章 存在
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ひめみこ。

ユリウスが喋り終わり、紅茶を一口飲む。アルムが代わりに話し始めた。


「伝記の他に姫巫女の手書きの日記のようなものには、こうつづられていたですぅ。


『たくさんの記憶をあちこちにばらまいてきた。


あの様なことが再び起こってしまってはいけない。


真王、いやショウの魂の一部が別の世界へ旅立って行った。


元々、真王の魂は人より大きいが一部が旅立つ事例は聞いたことがない。


無事なことを祈る。


私たちはみな生まれ変わって再び生まれてくる。


その度に賭けよう。


希望を未来を世界の命運を。』と。」


あまりに大きな話に話についていけない。

花織は変わらずニコニコと話を聞いていた。

尚の方はどうだろうかと気になり見てみたら、驚いたことに寝ていた。

あまりに呑気な様子に怒りを覚え殴る。


「いっっってぇーー‼︎」涙目で立ち上がり、こっちを睨みつける。


「なんで寝てられるのよ‼︎」


いつも通り口喧嘩が始まる。見兼(みか)ねたように花織が間に割って入る。


「はいはい、喧嘩しないの。」

仕方がなく大人しくソファーに座る。


「で、いきなりこういう話をするのもどうかと思うけど…

実は君たちが伝記に出てくる生まれ変わりなんだ。」

ユリウスはまた真剣な面持(おもも)ちでそう言った。


「はぁ⁉︎」

私と尚が立ち上がってユリウスに詰め寄る。


「ほらね、君たち絶対そう言うと思った。」


(信じられない。いきなり何を言い出すんだ。)



「じゃあ怜、さっき武器を出したよね?それをやってみて。」


そんなこと言われてもできるはずがない。


「どうやるかなんてわからないわよ。」アルムが私に近づく。


「あの時何を思ったですぅ?何を願ったのですぅ?」私の顔を(のぞ)きこみ、尋ねた。


あの時…確か私は…


「守りたいと思った。尚を守らなきゃって思った。私が命をおとしてでも助けなきゃって……。」


アルムもユリウスもうなずいた。


「「それが君の、いや、姫巫女の力の本質、彼や仲間を守りたいと願うほどその力は大きくなる。」」


アルムが立ち上がった後に続いてユリウスも立ち上がる。


「まあ、唐突(とうとつ)に君たちの世界じゃありえない話をしたからね。部屋を用意させてある、今日はゆっくり休んで。夕食の時に部屋に迎えに行くから、それまで自由にしてていいよ。」


そう言って部屋を出て行く。


「また後でですぅ〜。」


アルムもあとに続いて出て行った。


私たちはそれぞれ部屋に案内され、私はそのまま頭を休めるために眠った。

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