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人間の存在自体ありえないわよ!

 取りあえず、街の中に入ろうとしたけど、門も開かないので、インターフォンか無いか探してみることにした。

門の端っこに行ってみたが、インターフォンも無く、電話も無く、希望が少し失った。

後ろから、人の気配を感じたので、振り向いたら、ツインテールの女の子がいた。

「ちぇっ。もう閉まったんだ…」

そのツインテールの女の子は、白いTシャツを着ていて、デニムを穿いていて、髪の毛の色は、白、黒、オレンジに散りばめられていた。“三毛猫”みたいな模様の髪の毛を二つに結んでいて、彼女の頭には、髪の毛と同じ色の猫耳が映えていた。

彼女の目の色は青緑で、瞳孔は縦長く、猫を思わせるような目をしていた。


 私は、街に行きたかったので、後ろに居る、猫耳少女に声をかけた。

「あ、あの…この門の向こうの街に行きたいのですが、どうやったら、入れるのですか?」

猫耳少女は機嫌が悪いのか、私を睨んで口を開いた。

「今、2時43分。あと、39分しないと、開かないわよ。その門」

猫耳少女は、だるそうに時計を見て、これからどう時間を潰すか、考えているように見えた。

私もどのようにして時間を潰そうかと、考えていた。


 私は、とても気まずく感じた。なぜならば、猫耳少女は、失礼だが、無愛想で、ツンツンしていて、近寄りがたい雰囲気をかもし出していたからだ。

だが、猫耳少女は、私をジーと見つめて、目を大きく開いて、驚いた顔で私に質問を聞いてきた。

「アンタ、耳と尻尾は?」

「え?耳はありますが、…尻尾はありませんけど…」

「もしかして、アンタ、人間?!」

「そうですけど」

猫耳少女は、彼女の耳であろう、頭に生えてる耳をさらに尖らして、私を見つめた。

「もしかして、人間て珍しい生き物なんですか?」

「人間の存在自体ありえないわよ!」

「え?」

存在自体がありえない…?この世界には、人間とか居なくて、エルフとか、妖精とかいるのかと思った。

「私たちは、“第4世代の猫種”と呼ばれていて、もっとも人間に近い猫種だけど、人間なんて、初めて見た」

猫耳少女は、また、睨んだように私を見つめた。

「ねぇ、門が開くまで、時間があるから、ちょっと、違う街に行かない?別にアンタが嫌だったら、ついて来なくても良いけど」

私は時間を潰すものとか、持っていなかったので、猫耳少女の言うとおりにしようと決めた。

「はい。行きたいです」

私はそう言って、返事をした。


 猫耳少女は、街の門と反対側に向かって、歩き始めた。

私は、猫耳少女の後を追うように歩いていた。その少女のお尻を見ると、短い尻尾が生えていた。

私がいた世界の猫で言うと、あのツンツンした、猫耳少女は、“マンクス”か“ジャパニーズ・ボブテイル”と言う尾が短い猫なんだと思う。


 歩いていると、猫じゃらし畑が一面に広がっていた。歩いていると、人影ならぬ、猫影が見えてきた。

そして、田舎町に着いたみたいだ。

その町の前には大きい川の橋があって、その川の向こうに開いている門があった。

 その門はお寺にあるような門で、さっきの都会っぽい街の洋風な門と違って、和風な門で、いつでも開いているようだった。

「何、ボーと見てるのよ。正門から入ると目立つから、裏口から入るわよ」

「えー…」

「“えー”じゃないわよ!取りあえず、ここの街に入る前に、猫神さまに会いに行くんだから」

猫神さま?この世界にも、神様って言う存在がいるのか。

「猫神さま?神さまなんて目に見えるものなの?」

「まぁ、猫神さまって言っても、白い虎よ」

猫耳少女は、溜め息を吐いた後、口を開いた。

「裏口に行くわよ」

と言って、猫耳少女は、左の方向に向かって歩き始めた。


「裏口って、そんな…不法侵入みたいなことして良いのですか?」

「良いわよ。アタシは特別だから」

猫耳少女について行くと、その町は塀があって、正門からではないと、入れないようになっていた。

裏口と言われるところに着いた。そこには、正門の前にあった川が続いていたが、橋は無く、板が置かれていた。

その板は渡れるように考慮されているのか知らないが、川の間に置かれていた。

「ちょ、ちょっと!こんなの…渡れるわけないじゃないですか!!」

「うるさいなー…。渡れるわよ。私が後ろにいてあげるから、先に渡りなさいよ」

私はかなり躊躇した。バランス感覚が悪い私にとって、こういう、細いものを渡るなんてかなり難しい。

でも、後ろの鬼畜な猫耳少女が睨んでいるのでいて、怖かったので、仕方なく渡った。


 川は浅そうに見えるが、やはり、怖い。

「落ちるってコレ!絶対に落ちる!」

「うるさいわね!足を動かしなさいよ。口じゃなくて!」

のろのろ、板を使って、渡っていったら裏口に着いた。

裏口の塀には、小さい穴が開いてあった。私は嫌な予感がした。

「もしかして…」

「そうよ。アタシについてきなさいよ」

「えー…パンツ見えますって!」

「今、誰もいないから、大丈夫よ」

そういう問題なのか?と私は思ってしまった。

猫耳少女はするりと、余裕で穴を通り抜けた。

私も穴を通ろうとしたら、胸の辺りが苦しくなって、胸のせいで穴が通れないことに気づいた。

「ち、ちょっと!どういうことなのよ?!」

猫耳少女は私を起こった風に見つめて、私の腕を引っ張った。

「オーエス!オーエス!」

猫耳少女は、綱引きのかけ声を声に出して、私の腕を引っ張ってくれたおかげで、何とか、私は、裏口の穴を通りぬけることが出来た。

腕がとれるかと思ったが。


 そして、うつぶせになった状態から立ち上がって、目の前にある、建物を見た。

その建物は、古代エジプトを思わせるような、建物だった。

だが、教科書に載っているほどの大きさではなく、お寺と同じぐらいの大きさだった。

「入るわよ」

「は、はい…」

猫耳少女はさっきより声を低くして、私に声をかけて、建物の中に入って行った。

建物の中は古代エジプト風ではなく洋風だったが、なぜか、ガラス細工があった。


 猫耳少女の後をついて行くと、前方に白い猫みたいな生き物が王様が座るような、高そうな椅子に優雅に座っていた。

近づいていくとわかったことだが、白い猫みたいな生き物はホワイトタイガーと言われる、猫の仲間だった。

 猫耳少女は、そのホワイトタイガーに跪いて、頭を下ろした。

「猫神様、“カコビト”と思われる、人間をお連れしました」

そのホワイトタイガーは猫神さまと言われていて、全長2メートルぐらいあって、瞳の色は宝石を思わせるような碧色(アオイロ)だった。

そして、虎なのに、人間の言葉を話していた。

「みっけよ。頭を上げたまえ」

「はい。恐縮です」

「余は、第4世代の猫種ではなくて、純粋の人間か?」

「はい」

猫神さまは、目を閉じて深呼吸をして、目を開けて、キレイな碧色の瞳で、私を真剣な眼差しで見た。


「余は、予言されていた、…“カコビト”成らざる者か?」


ホワイトタイガーってカッコイイですよね。

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