同市内の工務店勤務Aさん(男性・35)へのインタビュー
※市内で、工務店に勤めておられるAさん(実名は伏せる)に作者が取材を行なった際の録音データを元に、内容を文字起こししたものである。
※一部、人名・地名などは個人情報保護のため、伏せ字とさせてもらう。
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三宅
「初めまして、Aさん。本日は取材へのご協力、ありがとうございます」
Aさん
「こちらこそ、よろしくお願いします」
三宅
「では、まず初めに簡単にAさんの自己紹介とお仕事について教えてください」
Aさん
「はい。私は〇〇市内の工務店で大工をしております。歳は今年で35になります。
三宅さんとは、何度か住宅雑誌のお仕事でご一緒させていただいた縁があり、今回は〇〇市の建物事情について取材させてほしいと言われまして。私なんかでお力になれることがあればいいんですけどね」
三宅
「ありがとうございます。それで、今回なんですけれども、〇〇市にある〇〇寺についてお話を伺いたいと思うのですが、よろしいでしょうか」
Aさん
「ああ、〇〇寺ですか。
三宅さん、〇〇市に伝わる民間伝承をご存知ですか?」
三宅
「たしか、家鳴り様ですね。なんでも、江戸時代頃から伝わる話だとか」
Aさん
「そうです。〇〇寺では、その家鳴り様を祀っております。夏になると、この辺で一番盛り上がるお祭りなんかもしてるんで、良かったらお越しくださいね」
三宅
「そうなのですね。では、さっそくですが。
家鳴り様と聞くと、やはり建築材が湿気なんかで膨らんで音が鳴る、あの『家鳴り』って現象が思い浮かぶのですが、なにか関係があるのでしょうか?」
Aさん
「〇〇寺は明治時代の末期に建てられたお寺でして、今でもそのほとんどが当時のままなんです。
そうすると、やっぱり木が軋むんですよね。その事が当時の子供達の間で有名になって、鬼が住んでるってことから広まったそうです。
それが一般的な『家鳴り』の由縁になってるのではないかというのが、一説にあります」
三宅
「なるほど。家鳴り発祥の寺って事ですね。
お寺自体もかなり面白い作りをしているとか」
Aさん
「そうなんです。古い寺とか、昔の家にはたまに見られるのですが、鉄を一切使わない技法が用いられておりまして。木をこう、うまいこと切ったり削ったりして、継ぎ手を作るんです。そうすると長持ちするんですよ」
三宅
「いわゆる、組み木ってやつですね。Aさんのところでは、その組み木を用いて今も家を建てられてるんでしたっけ」
Aさん
「はい。メインの仕事は大工ですが、田舎ですからね。他に工務店もないので、うちが一手に寺の修復も手掛けているって感じになりますね」
三宅
「では、実際に組み木を使って建てたお家にはどんな特徴があるのでしょうか」
Aさん
「そうですね……。例えば、今でこそあまり使われなくなりましたが、天井裏が広いというのも一つの特徴でしょうか」
三宅
「続けてください」
Aさん
「はい。昔の人は、天井裏に大事なものとか……それこそ幕府に取り上げられないようにするために銃や刀、他にもキリスト信仰の証なんかを隠してたんです。
組み木でお家を建てるとですね、床下に通ってる太い木、これを根太と大引きって言うんですけど……それが天井に似たような構造にできるので、まぁ、天井裏にもう一部屋作る事が簡単だったんですね」
三宅
「なるほど。確かに、高い所まで探すのは当時の役人の方も大変でしたでしょうね」
Aさん
「はい。それに、日本は湿潤な気候ですので、天井裏があると家全体の空気の通りが良くなるんですよ。だから、建物もカビにくくなるし、柱なんかも長持ちするんですよね」
三宅
「わかりました。それで、天井裏のオススメの使い方とかあるんでしょうか」
Aさん
「天井裏には入るな」
三宅
「え? すみません、えっと……」
Aさん
「いえね、天井裏は危ないんでね。はい、普通の人は入らない方がいいですよ」
三宅
「ああ、なるほど。確かに暗いですし、最近だとアライグマだとかハクビシンだとか、そういう害獣の棲家になってることもありますしね」
Aさん
「ええ。それに、近づかない方がいいですね。家鳴りになりますから。業者さんとかでも、たまに具合が悪くなる方もおられますので、やっぱり専門の方に対処してもらうのがいいと思います」
三宅
「では、家鳴りがどうしても気になるって方はどうしたらいいのでしょうか」
Aさん
「どうするって、そりゃあ、ねぇ。家鳴りを止めようなんて考える方が恐ろしいですよ」
三宅
「恐ろしいと、言いますと?」
Aさん
「トントンって音が聞こえたら、寝た方がいいんですわ」
(以降、激しいノイズ)
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録音した音声はここで途切れており、これ以上は復旧できませんでした。




