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給料日と怪獣ソフビ

給料日。

駅から直結のヨドバシカメラに吸い寄せられるように入る。

まっすぐ地下。

エスカレーターを降りたら、正面。

おもちゃ売り場の奥に、怪獣ソフビが並んでる。


私はそれをひとつ選んで買う。

レジの人がチラと笑う。

「おみやげですか?」と聞かれることもある。

そのたびに曖昧に笑う。

そうです、とも、ちがいます、とも言わない。


袋の中でソフビが小さく揺れるのを見てると、

どうしてこんなことしてるのか、わからなくなる。

誰に見せたいんだろう。

誰を演じてるんだろう。

なんで、こんなに素直じゃないんだろう。


私は母親ではない。

誰かの恋人でもない。

ただの、たまに少しだけ寂しくなる女だ。


テレビ台の下が、

気がつけばソフビで埋まりかけていた。

ぺギラ、ガヴァドン、ゴモラ、キングジョーもいる。

シンとか平成版もある。


ある日、掃除機をかけながらふと気づいた。

ああ、私、

この子らの顔を見てるときだけ、

ほんの少しだけ、やさしくなれる。


たぶん、

私は休日の私におみやげを買っていたんだと思う。

ちょっと疲れた給料日に、

がんばったね、の代わりに。


そう思ったら、

次の給料日が少しだけ楽しみになった。

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