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フリーレン
禁酒、2週間。
離脱症状で頭が痛い。
いつもなら、春の陽気に乗せられて、
コンビニの缶チューハイを2本は買ってたはずなのに。
死ぬ前に、こんな当たり前のことに気づけてよかった。
でも、どうせまた酒に沈むだろうとも思ってる。
わかってる。
でも、今日は浮いてる。たったそれだけのことで、うれしい。
春の鴨川を歩く。
桜の花は、もうほとんど散ってる。
川面を泳ぐ花びらと鳩の行進。
カップル、ジョギング、観光客。
それがなんだか、今日は少しずつ心に届く気がする。
前はこういうの、全部“他人の世界”だった。
自分には関係ない景色。
目に入っても、心が反応しなかった。
アルコールが、全部の感覚を布で覆っていたみたいだった。
でも今日は、届く。
ちょっとだけ、痛いほどに。
そんな時、ふと視界に入ったのは、
ママチャリに乗った葬送のフリーレン。
銀髪のウィッグにローブ、杖、籠に折りたたんだカメラ三脚。
完全に浮いてる。
でもなんだか、いい。最高に自由で。
そのままフリーレンは涼しい顔で北へ向かって、スイスイと去っていった。
笑えて、笑えて、
涙が溢れた。
こんなふうに笑える日が来るなんて。
禁酒のご褒美だと思った。
帰り道、川べりに座ってオールフリーを飲んだ。
思い出したらまた笑えた。




