お前が本物の勇者かどうか、見極めさせてもらう!
「お前が本物の勇者かどうか、見極めさせてもらう!」
木漏れ日差し込む霧の森に、一本の直剣。
それは持ち手を上にして、石造りの祭壇に突き刺さっている。
「見てろオッサン! オレこそが勇者だ!」
剣を前に立つ男は、俺に向けて自信たっぷりな顔をした。
そのまま持ち手に両手を添え、力を込めて一気に引き抜こうとする。
だが、その剣を引き抜くことは出来ないだろう。俺にはそれがわかる。
「ぬお────ッ!!」
男は腰を入れて力を込め直す。そして何度も、何度も剣を引き抜こうとする。
次第に男は息を切らし、額には大量の汗を浮かべ始めた。
「う、うお────ッ!!」
「もういい! お前は勇者ではない!」
俺は男を羽交い締めにして剣から引きはがす。
意地でも剣を引き抜きたいのか、男は不服そうな顔をして暴れている。
「この剣は、本物の勇者にしか引き抜けない! お前はもう出ていけ!」
「んだとっ!?」
男は品の無い面で睨んでくる。
こんなやつに物怖じする程、俺はヘタレではない……はずだ。
それなのに何故か俺の足からは震えているような感覚が上ってくる。
腹の中から酸っぱいものが込み上げ、抑えるようにそれを飲み込む。
「ちっ! 次こそは絶対に引き抜いてやるからなっ! 覚悟しとけ!」
男は唾を吐き捨てて去っていった。
よかった、何事も無く帰ってくれた。
こんなところで争いごとが起きでもしたらおやっさんに顔が立たない。
「アイツで最後だな……今日も勇者は現れず、か……」
勇者だけが引き抜ける伝説の剣を求め、毎日のように冒険者はやってくる。
魔王が世界滅亡を宣言した日まであと数年。早く勇者を見つけたい気持ちもあるのだろう。
我こそが勇者だ。そう言って何度も挑戦しにくる輩もいれば、旅の思い出にと観光気分の輩もいる。
俺はそんなやつらの中から本物の勇者を見つけ出す、そしてこの剣を守る使命を負った……。
「オッサン、か……」
エリック、それが俺の名前だ。高齢化に伴い引退した剣の管理人・おやっさんの後を引き継いだ、ただの冴えないオッサン。
でも、俺にはそれくらいが丁度いいのかもしれない。派手な生活も、夢見る日々もすでに程遠い存在なんだ。
「お前もずっとここにいるし、もうおじいさんぐらいか? いや、おばあさん……?」
剣は何も答えない。
長年一度も引き抜かれていない伝説の剣とはいえ、いざ勇者が現れて手にした剣がナマクラじゃ意味が無い。俺みたいなやつがしっかりと手入れをして、来るその時を待つ。
「この剣が引き抜かれたら、俺はどうなるんだろう……」
スポッ!
「あれ……?」
試しに剣の持ち手を握った瞬間だった。俺の手にある剣が、間抜けな音とともに引き抜かれたように見える。
「待て待て、そんなはずはない。ずっと引き抜かれなかった剣だぞ……?」
そうだ、そんなはずはない。俺の手に伝わる重さもきっと気のせいだ。しかし、どう見ても剣は祭壇から離れている。
キラリと光る切っ先には俺の顔が反射していて、とても綺麗な剣だ。日頃の手入れのおかげだろう。
「どどどどどどぉっ!?」
訳が分からない。理解が追い付かない。何がどうなっているかわからない。俺は今どうなっている?
「お、落ち着け……! まずは元に戻そう!」
俺は祭壇に空いた穴に向けて剣を刺す。すると、思いのほか簡単に元通りになった。
「よし……きっと剣先が折れただけに違いない! 何人も力任せに引き抜こうとするからな、こうなることもある……よな?」
そうだ、そういうこともある。とりあえず何かしら理由を付けないと今の俺は平常心でいられない。
「おじさん! どうしたの?」
「うわぁっ!? ビックリした!」
「こ、こっちのセリフだよっ!」
つい飛び跳ねてしまった。
俺に声を掛けてきたのは、おやっさんの孫娘・リアだ。まんまるな目をした好奇心旺盛な少女で、度々こうして俺のところに姿を見せにくる。
「リア、何でここに……」
「ごはんだから、おじいちゃんが呼んでこいって」
「そ、そうか……飯か……」
どうして俺はこんなに焦っているのだろうか、剣なら元通りになったはず。特に問題は……。
「って、こらっ! 剣に触ったらダメだッ!」
俺が剣に視線を向けると、リアが剣の持ち手を握って左右に揺れていた。
まずい、もし剣が抜けてしまったら……。
「あ、あれ……抜けない……?」
「当たり前だよー、だってあたし勇者じゃないもん」
「そ、そうだよな……」
リアがどれだけ乱暴に動かしても剣はビクともしていない。
さっきはするっと抜けたくせに、今度は役目を思い出したかのように突き刺さってやがる。
「リア……! 手入れしたばかりだからあまり触らないで欲しいなぁ……なんて」
「えー?」
リアはふくれっ面をして渋々剣から手を離す。
しかしどういうことだ? リアが触っても剣はビクともしなかった。
さっき俺が触れた時は……。
◆
「エリック、今日もご苦労様」
テーブルに着く俺に向けてスープを差し出す老人、彼こそが先代の管理人・おやっさんだ。
俺はおやっさんの家で料理をご馳走になっている。俺の隣に座るリアは、嬉々として食事の瞬間を待ちわびている。
「お、おやっさん! 話があるんだっ……!」
「なんじゃ? そんなに焦りおって」
そこまで焦っているのだろうか。しかし、俺は今すぐおやっさんに聞きたいことがあって仕方がない。
「勇者って世界にどれくらいのいるものなんだ?」
「んー? そんなの一人しかおらんのじゃないか?」
「ひ、一人!?」
俺は声が裏返って立ち上がってしまった。おやっさんとリアからの視線にいたたまれずすぐに座り直す。
しかしそうだよな……あの剣は今まで一度も引き抜かれなかったわけだし、勇者がうじゃうじゃいても逆に困る。
「ワシが管理人をしていたおよそ四十年、誰一人として勇者は現れなかったしのぅ……」
「よ、四十年……」
「それもお前さんに託したわけじゃし、お前さんの代になればきっと勇者は現れるやもしれんぞ?」
「あはは、あはは……」
乾いた笑いが止まらない。俺の顔は引き攣っているだろう。
「おじいちゃん! お腹すいたよー!」
「おぉリア、そんなにお腹がすいたのか? 待っておれよ」
もしかして、本当に俺が……。
◆
食事を済ませ、俺は再び剣の刺さる祭壇を前に立つ。
いつもの見慣れた、変わらず突き刺さる剣。
「……よしっ」
深呼吸をして剣を持つ。
ただ確かめるだけだ。でも、本当に引き抜けてしまったら……。
不思議と俺の手は震えている。これは期待か、それとも恐怖か、それとも……。
「えぇいっ……!」
俺は目を瞑り、一気に引き抜くように持ち上げる。
手に伝わる確かな重み、想像通りの結末。俺の気持ちはどちらかと言うと落胆が強いかもしれない。
「俺が、勇者なのか……」
確かに俺が若い頃は勇者を目指していた時期もあった。
冒険者になって、色んな所を旅して、魔物とも戦ったりもした。
「何で今更、俺なんだよっ……!」
俺は膝から崩れ落ちる。
どうしても俺にはこの事態を喜べない。ずっと望んでいたはずなのに、受け入れることが出来ない。
「おいオッサン! また来てやったぜ!」
声に振り返ると、そこには品の無い面をした男が堂々として立っている。
さっき剣を引き抜けなかった男だ、懲りずにまたやって来たようだ。
「あ、あれっ!? その剣はっ……!?」
「ま、まずいっ……!」
男は目を見開いて俺の手に持った剣を注視した。顎が外れて落ちてしまうのではないかと思わせるアホ面で驚愕しきっている。
「……まさかオッサン、オレたちを騙していたのか……?」
「えっ……?」
「とぼけるな! オレたちには抜けないようにしてバカにしてやがったんだろ!」
「な、何を言って……」
「ふざけやがって……! 頭に来たぜッ……!!」
男は額にシワを作りながら、腰に携えた剣を抜く。
「勇者として悪いヤツは見逃せねぇ! オッサンには死んでもらう!」
「は、はぁっ!?」
俺は咄嗟に立ち上がり、男のいる方向とは逆に走り出す。
何を勘違いしたかは知らないが、あいつの顔を見れば本気だってのはわかる。
話が通じる相手とも思えない、ここは逃げるに限る……。
「逃げるなよオッサン! この卑怯者──ッ!!」
「……ッ!」
卑怯者か……確かに俺はいつも逃げてばかりだ。
勇者の夢だって、本当は怖くなって諦めた。退治した魔物だって畑を荒らす程度の弱いやつらばかり、それでも傷を負って痛いのが嫌になった。こんなんじゃ魔王なんて倒せるはずはないと思った。
そうやって逃げていくうちに、いつの間にかこんなオッサンになってしまった。まだどこかで期待している自分に諦める決意をさせたくて剣の管理人になろうと思った。
「クソッ……! チクショウッ……!」
俺だってなりたくてこうなった訳じゃない。
少しぐらい期待はした、勇者になったらみんなが俺を見てくれるかもしれないと思った。
だけどもう、夢を見る歳じゃないんだよ……! 夢を諦める方が、簡単になっちまったんだよ……!
「うおッ!?」
瞬間、手に持っていた剣の重みが増して俺は転んでしまった。
「なんだよ、お前も俺を責めるのか? 俺を情けないと罵るのかよ!?」
地面に転がる剣は月に照らされて綺麗な切っ先を見せる。
今はそれが苛立たしくて仕方がない。お前さえいなければ、こんなことにはならなかったんだ。
お前さえ、いなければ……。
「そうじゃ、しかしここまでヘタレだとは思わんかったぞ……」
「……えっ?」
気がつくとそこは不思議な場所。白が無限に広がる謎の空間に俺はいた。
目の前には一人の少女と玉座。白のワンピースを着た裸足の少女は玉座の上で寝転ぶようにして横目で俺を見てくる。
「わしがおぬしを勇者に選んだ。じゃが、やっぱりやめようと思う」
「お、お前は誰なんだ!? ここはどこなんだよ!? 俺は森の中でっ……」
「うるさい! こういう時は黙って話を聞いておれ! 一度に聞かれても全部答えられるわけがないじゃろうが!」
少女は起き上がり、怒鳴り散らして俺を責める。
そんなに強く言われる筋合いは無いだろう、どうして俺が責められなければならないのか。
「おぬしは勇者になりたくないのじゃろう? ならばその願いを聞き入れてやる」
「待ってくれ! 願いって、俺を勇者にしないってことか!?」
「そう言っておろう、何を聞いておったのじゃ」
何なんだこいつ……?
この少女が俺を勇者に選んだから剣を引き抜けたってことか? それで俺が勇者になりたくないと願ったからそれを叶えようとしている……。
「お前は、神様か何かなのか……?」
「神様じゃと? そんなもんと一緒にするでない!」
少女は玉座から立ち上がると、ぺたぺたと足音を立てて俺の前までやってくる。膝をつく俺を前に、不敵な笑みを浮かべてしゃがみ込んだ。
「わしを神などと一緒にするな、わしはあんなもんよりもっと凄くて偉いのじゃぞ?」
少女は俺の頬に手を添える。その手は冷たく、柔らかく包まれることにどこか嫌悪感を抱かせる。
「お前は……悪魔、なのか……?」
「そう呼びたいならそう呼ぶがよい。わしからすればおぬしは小童同然、もはや赤子にも満たぬ」
「あれは伝説の剣なんだろ!? それなのにどうして悪魔なんかに勇者がどうのこうの出来るんだよ!?」
「なら聞くが、なぜ一度も抜かれたことの無い剣が伝説の剣などと呼ばれておるのじゃ? 誰がそう言った?」
「えっ……? それじゃあまさか、あの剣は……」
「そうじゃ、あれは伝説の剣でも、勇者の剣でもない……」
少女は俺の頬に顔を寄せた。
「わしは魔剣じゃよ、全てを破壊する災厄の剣……」
「……ッ!?」
少女は俺の頬から手を離し、そのまま俺の肩を押して突き飛ばしてきた。
「伝説だの勇者だのと勝手に盛り上がっておるのはおぬしら人間の方じゃ、わしには関係ない」
「なら、どうして俺を……!」
「おぬしは封印を解いた……と言うのは嘘じゃ。わしのほんの気まぐれじゃが、おぬしは選択から外すと言っておろう」
俺を選択から外す、つまりこの魔剣が他のやつの手に渡るってことか……?
「じゃあ、俺はどうなるんだ……?」
「またいつものように勇者を探せばよいじゃろう。じゃが、その時は本気でわしを殺せる勇者を探す必要があるぞ?」
俺は息を呑む。
どうやら俺は面倒なやつに魅入られてしまったらしい。人類が長年守り続けてきた剣が本当は魔剣で、勇者になりたくないと願う冴えないオッサンの手に今、世界の命運がかかっている。
「あはは、あはは……」
乾いた笑いも出ちまう。
最悪だ、どうしてこうなっちまったんだろう。
「さらばじゃ人間、わしの面倒を見てくれていたことだけは感謝してやってもよい」
俺は確かに勇者になりたかった、でもこんな形でなんてあんまりだ。勇者になりたいだなんて二度と思うものか、勇者なんてうんざりだ。
「……エリックだ」
「なんじゃと?」
「人間じゃなく、俺にはエリックって名前があるんだよ……!」
「だからなんじゃ。もうおぬしとは関係を断つ、今更名前を覚えたところで……」
俺は立ち上がり、少女の手を掴む。
「俺は勇者になんかにならないって言っただろ……! だから、お前を受け入れてやる……!」
「な、何を言うて……」
「お前を使って、お前を殺せる勇者を探してやる! 本物の勇者を、俺が探してやる!」
「おぬしは大馬鹿者か!? そんなものわしが許すとでも……」
「へぇ、さっきまでの威勢はどうしたんだよ? それとも、本当に死ぬのが嫌で怖気付いてんのか?」
「なんじゃと……?」
「神様なんかよりも凄くて偉いんだろ? だったら、本物の勇者すらも殺してみせろよ!」
俺は精一杯の威勢を張っている。
こうやって少女を掴む俺の手も、汗と震えが止まらない。
どうしてこんなことをしてしまったのか、衝動に任せて動くものじゃないとつくづく思わされる。
「……ほぅ、面白い。ならばやってみせるがよい! わしを殺せる勇者を、おぬしの手で見つけてみせろ!」
「へっ……そうこなくちゃな……!」
「エリックと言ったな、わしの力を貸してやる。この力で、全ての勇者を葬るがよいっ!!」
瞬間、少女は発光し俺を光で包んだ。
「ようやく見つけたぜオッサン!」
俺は再び森に戻っていた。
近くに転がる剣。こいつは魔剣だ、綺麗な剣先を見せて俺にすり寄ってきた悪魔。
「もう逃げねぇのか? オレに殺される覚悟が出来たってわけか!」
「お前、勇者になりたいそうだな……」
「あ? なんだよ?」
「ならば見せてみろ、お前の実力を……」
俺は魔剣を手にして立ち上がる。
「な、なんなんだよっ……そりゃ!?」
俺の体に黒い煙が渦巻いている。
これが魔剣の力か、体にずっしりとした重みが伝わり、俺の全身を漆黒の鎧が包んだ。
「黒い……騎士ッ……!?」
「黒騎士か、あまりしっくりとこないな……」
俺の体の奥底から湧き上がる力、全てを可能にする万能感を与えてくる。流石は魔剣だと褒めてやりたいところだ。
「さて、本題だ……」
俺は右手に握る魔剣を構える。
「お前が本物の勇者かどうか、見極めさせてもらう」
「く、くそっ……!」
男は剣を構える。
その手は震えていて、目の前の俺に恐怖しているようだ。立場逆転、愉悦に浸りたい状況ではあるが俺の目的はそんな程度のものではない。
「この剣を、持て」
「……は?」
男はポカンとした表情を見せる。
俺は魔剣の持ち手を男に向けて差し出し、受け取るのを待つ。
「この剣を、持てッ!」
「は、はいィッ……!」
俺からの喝を受けてようやく男は魔剣に手を伸ばした。
「うおっ!? 重いッ……!」
男が魔剣に触れた瞬間、魔剣は拒絶するように重さを増して地面へと突き刺さった。
「やはり、お前は勇者ではない」
「ふ、ふざけんな! 小細工してやがるんだ! 俺にだけ持てないようにしてやがるんだ!」
男は諦めずに、再び魔剣を握り引き抜こうとしている。
「ならば問おう。お前は何故、勇者を目指す」
「そ、そんなのカッケェからに決まってんだろ! 勇者になればいい思いが出来る! 魔王をぶっ倒して俺が最強になるんだ……!」
「つまらん……」
俺は右拳に力を込めて男を殴りつける。
拳は男の顔面にヒットしてその場に倒れ込ませた。
「痛ってェっ……! 何しやがる!?」
「それだけか? 他に理由はないのか?」
「な、何なんだよ!?」
俺は倒れている男へ馬乗りになり、品のない面を目掛けて拳を振るう。
右、左、右……、品のない面はより下品な面へと変わっていく。
「や、やめてェっ……! ゆ、許してくださいィっ……!」
「言え。お前は何故、勇者を目指す。その本当の理由を答えてみせろ」
再び殴る。ただ、殴る。
原型を無くして腫れた顔を殴り続ける。
「し、死にたくないっ……! 助けてくださいィっ……!」
「言えッ! 貴様は何故! 勇者を目指す!」
俺は左手で男の胸ぐらを掴み、右手に力を込めて渾身の一撃を準備する。
「お、オレは……勇者になるってカーチャンに誓ったんだ……!」
俺は手を止める。
「もう病気で死んじまったけど、オレが勇者になることを本気で応援してくれてた……! だから勇者になるんだ! オレはッ……!」
俺は止めていた拳を放つ。
男の口から前歯が飛び、顔からは涙と血の混じったドロドロの液体を垂れ流している。
「ならばやめておけ、お前にこの剣は荷が重い」
俺は立ち上がり、男のもとから離れる。
「勇者を諦めて、故郷のために出来ることを探せ。それが、お前の母親のためにできる最大限の弔いだ」
俺は魔剣を引き抜く。
「す、すんませんでしたァッ……!!」
俺の背後から泣き叫ぶ男の声がこだまする。
もう二度と、あいつは勇者になりたいなどと思わないだろう。
こうして俺は一人、勇者を殺したんだ。この魔剣の力で。
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