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儚い思い  作者: 十音孤
5/7

3年ぶり

父からの1本の電話を切った後、

母に電話の内容を知らせた。


「ばあちゃん、今日から入院するんだって…」


「入院!?」


とびっくりしていた。


「どこか悪いんだって、お父さんとお見舞い行ってきてもいい?」


と私は伝えた。

母は何を思ったのかはわからないが


「いいよ、よろしく伝えて」


と母は快く承諾してくれた。

本当の気持ちはわからないが少しは気にかけていたとは思う。


深刻なのか何の病気なのかわからないまま父とお見舞いに行った。

祖母に会うのは3年ぶりだった。


なぜか緊張していて、会うのが少しばかり恥ずかしかった。

父と一緒に選んだお花とちょっとしたお見舞い品を持って病室へと向かった。


部屋は4人部屋でカーテンで仕切られていた。

祖母はカーテンで覆われていて、見えなかった。


父が声をかける。


「ばあさん、入るよ」


「はーい」


と祖母の声が聞こえた。久しぶりに声を聞いた。

緊張していた私の鼓動は自分でも聞こえるほどだった。


「今日は○○も連れてきた」


と私はカーテンを手に祖母の部屋に入って行った。


「ばあちゃん…」


祖母はかなりびっくりな表情を浮かべていた。


父は私が来ることを祖母に言っていなかった。

なぜ言わなかったのかわからないが少ししたサプライズだったのかな。


「ばあちゃん、久しぶり。大丈夫?」


と私は問いかけた。


私はその日、なぜか敬語ではなくなっていた。


祖母の見た目は3年前からあまり変わってはいなかった。

いい意味で何も変わっていなくて私は嬉しかった。

笑顔も全く変わらなかった。


「〇〇、来てくれたの?会いたかったよ…」


と祖母は目に涙を浮かべながら私へ言った。


「ごめんね、全然会えなくて、私も会いたかった…」


母もいなかったせいか心に閉じ込めていた気持ちを

素直に言った。


そして、祖母と私は3年間を埋めるように話したかったのだが、

面会時間が終わりを迎えてあまり深いった話はできなかった。


「また来るね」


と私はそう言い残して病室をでた。


「〇〇。ありがとう、ばあちゃん嬉しそうだった」


「ううん、お見舞いまた行きたい」


父にそう告げ、帰宅した。


「ばあちゃん、元気そうだったよ」


とだけ母に伝え、

それ以上は何も言わずに自分の部屋へと戻った。

部屋に戻った私は、祖母に久しぶりに会えた喜びでベットにダイブした。





そして、数日経ったころ、

また父からお見舞いに行かないかと連絡が入った。








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