浮かぶある日のこと
真夏のある日。
蝉の音がうるさいほど鳴り響いている。
学校から帰ってきた私は宿題もせず、ランドセルを置きすぐさま立ち上がった。
外は暑苦しくて首に保冷剤を巻いてアイスを片手にサンダルで畑の方へ私は向かった。
祖母の職業は農家でお米、野菜を中心に育てている。
この文章だけでかなりの田舎であることがわかるであろう。
年中無休で働く毎日。
祖母が畑にいない日は見なかった。
今日も元気に畑に出勤していた。
「ばあちゃーん」
私は離れた場所から大きな声で叫んだ。
暑くて麦わら帽子をかぶってる祖母は、こちらを見上げてきた。
「おかえり」
と祖母は笑顔で私にそういった。
畑にいる祖母の姿が私はとても好きだった。
「今日はピーマンがいい感じにできていて食べ頃かな」
そう呟くとピーマンを収穫し出した。
「今日の夜ご飯はピーマンの肉詰めにしようか」
「ばあちゃん、美味しいピーマンの肉詰めお願い。」
「任せなさい」
と自信満々に祖母は言った。
祖母と私は張り切って家へと戻って行った。
たくさんのピーマンの肉詰めを作り終え、
家族みんなで机を囲み平和な一日が今日も終わる。
またある日の出来事。
学校終わりに畑に向かおうとしていたら
祖母が、畑に降りる階段でアイスを一人で食べていた。
祖母が私の姿をみつけて、
「おかえり〜。アイスとっておいで」
「ただいま。うん!」
とランドセルを背負った私は家へと走り出した。
ランドセルを下ろし、冷凍庫を開けて、アイスを手にとり祖母の元へと走り出した。
そして、学校であったことをアイスを食べながら話し出した。
「今日はね、マラソン大会がもうすぐ始まるんだけど、そのコースの確認したんだ〜」
「お!もうすぐなのか、もちろん1位!?」
「1位になる」
そう宣言をした日。
その後日、マラソン大会が行われた。
私は運動が得意だったこともあるのだが、
私の通っている地域の生徒が少なかった関係もあり
見事に1位に輝いた。
大きなトロフィーを片手に家へと帰宅した。
その日はみんなにトロフィーをみせびらかし、自慢話のオンパレードであった。
そんな幸せな日々の時間はあっという間に終わりを迎える。