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私、怪盗やってます。2  作者: 水上イリス / ICCHAMA
第4章 動き出す新たな勢力
9/9

第9話 イリスと花蓮の平和?な休日

 残党狩りのその後。イリスたちに連れていかれた彼らはどうなったのかというと…。

「お願いします。もうやめてください。私たちは組織から抜けたんです。もう関係ないじゃないですか。」

「へぇ~。組織から抜けたからもう縁を切りたいんだぁ?この私と~?」

「な、何でもしますから。お見逃しをぉ。」

男は泣きそうである。いやもう泣いていた。

「君さぁ、甘ったれてるよねぇ。裏社会に足を踏み入れた時点で君はもう引き返せないってことに気づいてないの?承知の上で入ったんだよねぇ?そうでしょ?」

容赦ない。悪党は好き勝手出来る反面、選択肢が存在しないんだという矛盾ともいえる裏社会の根幹を突きつける。

「私が愚かでした。本当に軽はずみで…。」

「軽はずみ?そんな薄っぺらい気持ちでこっち側に来ちゃったんだぁ~。うわぁ~かわいそ。残念でしたぁ~君の人生はここで終了だねぇ。」

捕えてきた男を鞭打ち、懺悔させ、精神をいたぶりまくった後、彼女はそれだけ言い残して去っていった。依頼主に引き渡すまでの数分間、男の精神は壊れかけていた。ここまで心を折れるのか。

「ああ、ああああ!あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!あはははははっ!!!」

男は泣き叫び笑い、ブルブルと体を震わせていた。他の捕虜たちはその光景にただただ震えあがっていたのだった。



 『ピロン♪』

メールの着信音だ。花蓮はスマホを手に取りメッセージを開いた。


---

件名: 怪盗フィアットちゃんへ♡

本文:

やっほ~元気してる?最近音沙汰ないから生きてんのか気になっちゃってぇ~連絡しちゃったぁ~笑

最近暇だからデートしよぉ~^^

---


「はぁ!?」

なぜあいつが連絡先知ってるのよ!普通に怖いんですけど。

「奏!!タスケテ怖いよ。」

「まあ連絡先教えたんだから連絡はくるだろ。」

「ちょっとまて。教えた?私教えてないんですけど。」

「僕が教えた。脅迫されたから。」

平然と答える。私はイラっときた。

「ふぅわああ?ワァイ?信じらんないよぉ。」

「悪かったと思ってる。」

なんか前から思ってたけど意外と無感情というか素っ気ないというか。まあいいか。前回みたいなやばいやつじゃなさそうだし。ちなみに私はイリスと私服で会ったことがある。なぜか気に入られちゃったみたいで私生活見られてるんだよね。だからこれくらいの連絡で動じる私ではない。え?動揺してたって?そんなわけない。あなたの目が腐ってるのよ。そんなこんなでデートしてくることになった。



 待ち合わせ場所には早めに来る主義なの。予定時刻10分前。これくらい余裕持ってないとね。まだいなそう。目印の下にたどりついた直後、イリスが駆け寄ってきた。

「おはよぉ~!いくわよぉ~」

「あ、うん、え?」

到着したときには影も形もなかったのにどこからともなく現れた。

「…さすが裏社会を戦慄させるだけあるわ。」

「何してるの?いきましょぉ~」

どうやら今日は普通の女の子らしい。


 めっちゃ連れまわされた。この半日、すっごい動きまくった。映画、ランチ、服、カフェ、劇場、ゲームセンター、なぜか彼女は疲れを知らないようだ。

「え~っとぉ、次は、」

まだあるのね…。そろそろご飯食べたいな。

「ディナー行きましょ。私、あなたのためにいいお店予約したんだから。楽しんでよねぇ。」

すっごいいい子!!こんな子が中身、アレなんて信じられないわ。

「ほんとに!?ありがとう。」

「私が選んだんだから間違いないわ。ふふふ。」

なんかサイコパスを感じるけどまあ気にしない気にしない。


 お店に着いた。席に通されたのだが…。

「すっごい!ナニコレ!?」

「夜景が楽しめるこの街のシンボルタワーのテッペンレストラン、そのスウィートルームよ。貸切のね。」

なんと、ドラマでよくある夜景が見れる高級レストランまんまである。そしてさらにグレードが高いスウィートルームという個室だから驚きだ。開いた口がふさがらないとはまさにこのこと。料理で口ふさぐしかあるまい。

 そして運ばれてきた料理がこれまた…。さっきからおばあちゃん口調なのはごめんだけど。

「これすごい…。」

ボイルされたエビ、カニ、ホタテ、まぐろ一尾の生け作り、舟盛り、パスタ、ローストビーフなどのフルコースを越えたコース料理…。いったいこれは…。

「さあ、食べましょぉ!すっごい楽しみにしてたんだぁ、君との食事。」

満面の笑みでそう言った彼女に嘘など微塵も感じなかった。

「こんな豪華なの、初めてですっごい緊張してる…」

「アハハッ、緊張してるの?部屋には私たちしかいないのにぃ。」

そして彼女とすっごい豪華な食事をしながら談笑した。私、一方的に嫌ってたけど、こういう一面もあるんだ。ちょっぴりイレギュラーなだけで普通の女の子なんだな。そう心の中でそっと考えなおしたのであった。

 私、怪盗やってます。2はこれにて完結となります。いかがだったでしょうか。

相変わらず国語力がない私は、情景描写や登場人物の身振り、シーンの事細かな描写が苦手でありまして…。前作よりは上手くできたでしょうか。

国語と言えば、私はすごく苦手で特に登場人物の心情を答えさせる問題が嫌いでした。共通テストに至っては点数が全く安定せず、30点台の時もあれば70点台の時もあり、結局点数は低かったですね。国語という科目をやらなくてよくなってほっとしています。ちなみに今でも嫌いです。

 ところで、私が小説を書いてみたいと思ったのは小説の登場人物の心情を問う問題に恨みを持っていて、そこから絶対作者しかわからないような選択肢をつけて作問してみたかったという点が大きいです。共通テストの問題には、根拠があるからどーのこーのといった感じで解説されるのですが、納得ができない。そこからこれが読み取れる、それは本当に作者が意図したことなのか。本当に登場人物の正確な心情を表現できているのか。他が明らかな間違いならば仕方がないのでしょうが、似た表現でほぼ同じ意味の選択肢を並べてみて、専門家に喧嘩をうってみたいですね。

 長話にお付き合いいただきありがとうございました。それではまたどこかで。

ここまでご愛読いただき、本当にありがとうございました。

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