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私、怪盗やってます。2  作者: 水上イリス / ICCHAMA
第1章 正義の怪盗
1/9

第1話 連続窃盗事件

お待たせいたしました。「私、怪盗やってます。」続編、遂に始まりです!

舞台はあれから1年後。刑事が警部に昇進したり、人間関係が変わっていたり…。

前作よりも細かく詳細な描写にこだわっていきたいと思っております。応援よろしくお願いします。

 日が落ちて一帯が闇に包まれた深夜の街に、パトカーのサイレンが鳴り響く。どうやらこの平和な国においても、犯罪という者はなくならないらしい。多数のパトカーが向かう先は閉店後のとある宝石店だ。

「では防犯装置が作動し、あなたが駆け付けたときには既に盗まれた後だったということですね。これから監視カメラを見せていただきますよ。」

話しているスラリとした青年は黒い手帳にメモを取りつつ現場で威厳を保っている。彼の名は桐山信夫警部、この街の所轄警察署捜査2課の警察官だ。

「分かりました。ではこちらでご覧になってください。犯人が映っているかは分かりませんが…。」

少しおとなしめで年もそこそこのこちらの男性が今回被害を受けた宝石店の店主、宝塚さんだ。現在、犯人を追うべく数台のパトカー及び多数の警察官が宝石店前に集まり、物々しい雰囲気となっている。時刻は0時過ぎ。防犯装置が作動したのが11時半頃だ。監視カメラに映っていた犯人は顔を覆面で隠し、バールか何かでケースをたたき割って宝石を袋に入れ、走って逃走していた。

「非常線を一帯に張れ。犯人はまだ遠くには行っていないはずだ。」

そうは言ったものの、内心は穏やかではなかった。ここ数日で発生した宝石目当ての窃盗事件は十数件にものぼる。同一犯か、それとも組織的な犯行か…。

「関連を調べなきゃならない。また捜査が長引きそうだ…。」

ため息交じりに弱音が漏れ出る、桐山警部なのであった。



 窃盗事件があった翌朝、私はいつものように学校へ向かった。講義室に入ると同時に、親しい友人に声をかけられる。

「花蓮~おはよ~。」

「美沙、おはよう。今日も元気だねぇ。」

私が苦笑しながら返す。

「だってだって、また事件だよ?これは興奮するわぁ。」

どうやら美沙はここ数日続いている窃盗事件を何らかの組織的な犯行とみて、その存在に魅力を感じているようだ。

「また組織の仕業!とかって言うんでしょ?もう~。」

「私の探偵の性が疼くのよ。これは連続事件なのよ。」

ミステリーの世界に転移してしまった美沙はとりあえずおいておいて、私は講義に集中することにした。


 講義が終わると同時に美沙は私のところへやってきた。

「ねぇねぇ、今夜もどこかで事件が起きると思わない?ちょっと奏君の力を借りて一緒に犯行を防ぎましょうよ。」

なるほど、こやつは身の危険というものを考えない探偵っぽいガールなのだろう。

「そんなことしてあんたが危険に巻き込まれたらどうするのよ。」

「大丈夫だよぉ。私は今夜、川瀬町の宝石店が狙われると考えてるのよね。」

どうやら勘で目星をつけているらしい。

「その推理、聞かせてもらおうか。僕もそこが怪しいとにらんでいるんだよ。」

突然会話に入られてビックリした!彼が私の幼馴染の相川奏だ。クールで勉強もできて何かと洞察力が優れている、頭脳の塊だ。2人が和気あいあいと己の推理をぶつけ合い始めたので私は距離を置くことにした。

「……と思うに至ったわけだ。なるほど、興味深い。花蓮もそう思うだろう?」

「えっ!?…ああ、うん…おもうよ。」

「よし、一致したわけだし文句なしだな。今夜はここへ張り込もう。」

『おお!!』

どうやら決定してしまったようだ。まぁ、奏が準備してくれるだろうし、いざとなればあの方法もある。まあ、何とかなるだろう。

こうして私たちは次の犯行現場となるであろう?宝石店に張り込むことになったのだった。

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