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第21話 侵略

 そしてあれから日が経ち、あっという間にその日が来た。そう、私が楽しめる日が。


 今日、私達は人間の国、アンドル王国を侵略する。かの国は人間側の国としてはあまり強くはなく、地理的にも孤立しており、邪魔が入る可能性も低い。侵略するのにうってつけの国だ。


 これで私のしたいことが出来る。そう、侵略侵略侵略だ。

 絶望に満ちた顔を見ることが出来る、こんなに楽しいことはない。


 まず私たちは、国の近くに潜んだ。今回の作戦は夜襲だ、夜に一気に国の中核を破壊して、国を我らの手にするというものだ。

 だけど、それはあまりにも生ぬるい。さっさと国を滅ぼして見せよう。


「突撃だあああ!!」



 そして、侵略を開始した。いや、侵略と言えば言い過ぎだろう。その場にあったのはただの虐殺だ。

 ラドルフたちが城を破壊している間に私は別の場所を攻撃した。そう、市民街だ。

 そこにいる人たちを皆殺しにして、絶望を植え付けるのだ。


 まず、炎を当たりにまき散らす。その攻撃により期の建物に引火し、その炎があっという間に広がり、町を業火に埋め尽くす。

 そして逃げ遅れた人たちがみな怒涛の叫びをあげる。


「うわあああああ」

「嫌だあああ」

「熱ううう」

「死にたくないいいいい」

「お母さん、お母さん!!」


 そんな声を聴きながら私は愉悦感を感じる。そう、魔王とはこういう事なのだ。人々に恐怖を与える。そう、私は、これこそが楽しみだということだ。

 今後は私の名が恐怖の対象として出るのだろう、と思ったら何という楽しさなのだ。


 そうだ、もう全員殺しちゃおう。そしたら本格的に恐怖だよね。良し! 行くか!


「ファイヤーストレイト!!!」


 そして炎の弾を別の町の方に向けて数発放った。これで業火は広がっていくだろう。

 ああ、幸せだ。


「どう? 気分は?」


 近くにいた魔族の部下に話しかける。私と手、部下を連れていなかったわけではない、数名連れてはいるのだ。



「最高です!! もっとやってください。我々の恨みを」

「わかった!!!」


 よし! 同意をもらえた。


 そしてもっと多くの弾を町に飛ばす。いい気分だ。私の欲がどんどんどんどんと見たされてテいく。ああいいね。この景色をもっとい。


 そして気が付けば、町は全焼していった。もはやこの惨劇、生き残りはほぼいないだろう。


 うーん生活拠点くらいは残しとくべきだったかな。まあ、人間活かしてても大してならないし。まあ、でもまだ足りない。私は……

 そして、今度はラドルフたちの助けに入ろうと、城の方へと向かう。

 城の中は大分制圧されているが、まだまだ手こずいているらしい。

 仕方ない手を貸すか……



「フレイムバースト!!!」


 そう炎の球を飛ばし、その炎を敵の兵士にコントロールしながら当てることで、ダメージを与える。

 ダメージを与えると言っても、あとに残っているのは焼死体だけなのだから、殺すの方が正解か。



 そしてあっという間に国王の間へとついた。ラスボス戦と言いたいところだが、今回の王は、人魚たちの王よりも弱いと、一目でわかる。

 明らかにビビッているそぶりを見せているのだ。


「あなたが国王?」


 そう、オーラで威圧しながら言う。


「……そ、そうだ」


 明らかにおびえて、かわいいな。まあでも殺すけど。


「余の腹心よ。現れろ!」

「ごめん。もう君の腹心はいないんだー。ごめんね?」

「そ、そんなあ」

「でもさ。国王ってことは実力があるってことだよね!! 戦おうよ!」


 ほら、なんか三国志の王とか戦えるイメージあるじゃん? だってゲームとかでも強そうだし。


「ほらほらかかってきなよ」


 とは言うも、もうだめだなという事は分かる。完全に戦意を喪失している。こんな奴をいたぶっても何も面白くはないのだが。


「詩音殿もういいのでは?」

「そうだね」


 ラドルフが言う通り、首を風の刃で落とした。

 城下町を見てだ。


「私共は、人間に迫害されてきたのです、そんな中、まさかこんなにいい景色が見れるとは」


 もうラドルフは泣きそうな顔をしている。でも、それでいいんだよ。だって、悲願が達成されたんだもん。



「詩音殿、いい気分です」

「うん。私も……でも、奴隷くらいは作っても良かったのかな」


 私がいたぶる町の再興を果たすための奴隷だ。


「でも、ここが私たちの拠点となるわけですから、これくらいがちょうどいいですよ」

「ありがと。でさ、次は国の体勢をどう作っていくかだよね」

「ええ。まあ、そこは私たちで何とかやって行きますよ」

「そう、ありがとう。さて私は今じゃなくていいけど、あとで攻めたい国があるんだよね」

「どこですか?」

「アリゲルド王国。前私が言ってたところ」

「そうですか」

「という訳で、まあ、あとは任せるわ。まあ私の手助けが必要な時は教えてね」

「はい! わかりました」


 そして国の形がどんどんと出来上がっていく。ラドルフは結構なやり手だなと感じた。強さは私に及ばなくても、統治はうまいようだ。

 これは私が手を貸すまでもないな。


 実際その後、私がしたことと言えば、法律を聞いて、いいか悪いかを判断したのと、あと日本の文化を取り入れたりしたことかな?


 私結局統治とか政治とかわからないしな。

 そして、数週間後、私たちはアリゲルド王国に侵攻した。もちろん私の意思を汲んでのことだ。そして、私は魔王という立場になった。反対意見はもちろんゼロだ。

 何しろ詩音様は最強なのだから。


 さあ、アリゲルト王国の民よ。覚悟しろ!

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