スパイ?
「これでどうだろう?」
「うん。希望通りには、なったのかな」
テケ戦車完成!砲塔には、MG42。正面固定には、V61改のドラム式弾倉。
「砲塔周りが1番大変だったよ。ある程度、空に向けても撃てる様にって」
「まあ、装備してる機銃もそうだけど。銃身を変えるからね。空には念の為よ」
「まあ、ミヤさんにも見てもらっだけど、良い出来だ!って喜んでたよ」
「一台、どれ位で完成する?」
「うーん。1ヶ月掛からないと思うよ」
「纏めて作れる?」
「そっちの方が楽よ。部品を作るのは、同じ工程だし。バラバラに頼まれる方がやっかいよ」
「それなら5両分造って。それと履帯式の牽引を10両」
「解った!組立は、1両づつになるぞ」
「それでいいよ!よろしくねー!」
「そう言えばのぶ!この前、5回目かな帝都の教会から子供達の中に、変わった子が来たって」
「変わった子?」
「うん。村の中を細かく見てるって。スパイじゃない?」
「うーん。帝都とシスターの事だ。そんな筈は無いと思うが。幾つくらいの子だ?」
「12歳で男の子。人族よ」
「そうか〜。ならば、わしが探ってみるぞ」
「えっ。いいの?」
「男同士で、話すのも良かろう」
その149
まあ、念の為に探るか。
あの子か?確かに、他の子達と遊ぶでも無く、勉強してる訳でも無さそうだな。
確かに、村中を観察してるのか。村人にも話しかけておるな。何を話してるか。。
「すまぬ。先程の子と何を話してた?」
「これは、のぶ様。いえね。この村は過ごしやすいか?って。過ごしやすいよ〜って、話しましたよ」
「そうか」
「帝都から来たばっかで、不安なんじゃ無いですかね?」
「うむー。すまぬ。時間をとらせた」
「いいえー」
やたら、キョロキョロしてるな。単に興味津々なのかな。また、話しかけとる。スパイならあんなに目立つ事はせんな。
「今の子と、何を聞かれてた?」
「あー。のぶ様。いや。突然にここの貴族はどんな奴かって。良い人じゃーって話だが」
「なるほどそうか。すまなかった」
これは、ひょっとしてか。奴に話しかけてみるか。
「待て、小僧。先程から村で何をしておる」
「うわ!?ゴーレムか!?」
「そんな事どうでも良い!小僧何奴だ?帝国のスパイか?」
「はぁーー!?ふざけるな!何で俺が帝国なんぞのスパイなんだよ!」
!?
「ならば、先程から何をしとる?」
「いや。それは・・」
「答えぬのら、ここで斬り捨てる!」
「わあわあ、待って!ちゃんと話すよ」
俺は、帝都の捨てられた川で育ったんだ。親も亡くしちゃって、如何にもならない時に、教会のシスターに助けられたんだ。だから今度は、俺が小さい子を助けるって言って、教会で手伝いを始めたんだ。でもその内に、優しい貴族が現れて、子供や女を何処かに連れていっちまう様になってな。シスターに聞いても、何処へ行ってるか教えてくれなくてな。それで、今回一緒に行く事になったんだよ。




