固いパン。。
テーブルに着くと爺が
「皆様の好物である、パンとスープをお持ちしますので、しばらくお待ちください」
と言うと部屋から出て行った。
「さっきの光が魔法かどうかは、解らないが、皆を見る限り裕福とは程遠いな」
「確かに」皆頷く。
「産業も農業が中心に見えるな」
「みどり、畑の状態はどうだった?」
「まだ、詳しくは見れてないけど、土地は痩せてたわね」
「うーん」とお父さん唸る。
「午後は、どうするの?」
爺の話では、屋敷から北に向かうと、鍛治と木工の作業場があるらしく、3世帯程住んでいるらしい。
「今まで見た感じだと、税収等は期待できないだろ。恐らく物品での支払いになると思うが、この世界の金銭感覚が全く解らない」
「今思いつくのは、小麦と大豆の生産なのかな」
「皆様、料理が出来たのでお持ちしました」
爺がテーブルの上に食器を並べ、テキパキと準備を進める。
「パンとスープで御座います」ニコニコと。
声には出せないが、パン?見る限りにカチカチだ。。お互い顔を見合わせる。
スープには豆、恐らく大豆。こちらは、味は薄そうだ。
「いただきます」爺は不思議そうに見てた。
パンと呼ぶには、腹が立つ程に固い。スープも案の定、薄い。。て言うか味付けが塩とハーブ?しか入ってない。。これは厳しい。。
皆、顔を見合わせつつ食べ始める。
「ご馳走様」チーン。。。。
「では、作業場を見に行くか」
突然、お母さんが。。
「私は、ここに残る!爺、キッチンを見せなさい!」