若いの〜
ふぅ〜。初めての実戦の指揮を任してくれるとはノブ殿に感謝しなければ!ちゃんと結果を残さないといけませんわ!!
「ピアン隊長!気を張るのは良い事ですが、余り張りすぎると後半が持ちませんよ」
「大丈夫ですよ。ナナミ副隊長!しかし文官の貴方達も付いてきて貰って申し訳無いですね」
「前にもお話ししましたが、文官との肩書きですが私もミナミも武官ですから」
「そうでしたね!でも2人共も実戦は、初めてですよね?」
「まあ、そうですが兵達はベテラン揃いなので問題ないですよ」
「頼もしい限りです。ミナミ副隊長は何処に?」
「偵察車で先行してます!何かあれば無線で知らせてくれますから」
「そうですか。それなら私達も前進です!」
「はっ!」
しかしノブ殿も新米指揮官に新米副隊長‥‥兵は手練ですが‥‥無茶な事を押し付けるな‥それとも変な表現になるが安全な作戦なのか?
作戦を聞いた時は驚いたが。まさかこれ程の量の玉薬を作っていたとは。今は製造されてないって聞いていたが?残っていた物なのか?
しかも竹筒に無線受信で起爆させるって。地雷とか使用したブービートラップの方がいいと思うんだが‥‥まあ作戦だから私はそれに従って遂行するのみ!!
「副隊長!そんな怖い顔してると兵に悟られますよ」
「工兵隊長‥‥」
「まあ、いつものノブ殿のやる事だぁ〜気にすんな!」
「そう言ってもらえる助かります。工兵隊長はこの作戦どう思います?ブービートラップの方が心理的効果が高いと思いますが?」
「まあ、俺もそう思うがな。しかし心理効果より本気で破壊するつもりだ」
「本気で破壊?」
「そうだ。玉薬は現在生産してる無煙火薬と製造工程が被らんからこれだけ大量に準備出来たのさ。無煙火薬をこれだけ準備するとなると他に回せなくなって補給が続かなくなる。だからさ」
「生産状況を見て判断したのか‥」
「俺らは目の前の作戦だけ見てるが上に立つ人は全体を見なきゃいかんからな。それに玉薬を竹筒に詰めてたのは、避難民のじっちゃん、ばっちゃんだ」
「避難民!?それもお年寄りに作業させてたの!?」
「あーそうだ!怒ってるのか?」
「当たり前じゃないですか!難民でしかもお年寄りに作業させて!」
「あははw まあ気持ちは解るが!考えがまだまだ甘いな〜?」
「?」
「お年寄り達は喜んで作業してたさ。若いもんは戦に駆り出されておるのに我々は、衣食住させて貰ってるのに何も役に立てないと」
「‥‥」
「なので、お年寄りにも作業出来て、戦にも役に立つ!しかも給料が出るとくれば、まー元気復活のお年寄り達よ‥‥」
「‥‥指導してたんですね‥‥そうか‥‥広く全体を‥か‥」
「まあ各々やる事も違うから、お年寄り達が出来る事はお年寄り達が。工兵がやる事は工兵が。副隊長がやる事は副隊長が。だ!」
「有難う御座います!工兵隊長!」
「おう!」
偵察機の報告通り敵はいなさそうだな。ここが領主の館か‥うちの特殊部隊が男爵と姫を救出したって報告だったが帝国兵の亡骸はそのままか。となると帝国兵はまだここには来てないのか。流石にこれを姫‥‥隊長に見せるのは不味いか。埋葬を指示しないとな。
本隊到着にはまだ時間が掛かるはずだから間に合うな。
「本隊へ、こちら偵察隊より、我、領主館に到着せり、敵兵見当たらず!」
「輸送ヘリ隊にも、輸送作業開始せり!」