進出!?
何じゃこりゃ!?いつの間に!?会社?ん?
さっき社長って言ってたな?会社を作ったのか!?まさか中央の街に進出!?
「すみません!さっき高射砲塔へご挨拶にお伺いしたのですが、男爵様はお忙しく姫様は丘の上へ行って居るとの事でお伺いした所です!!」
「‥‥‥ごめんなさい‥‥警戒し過ぎました」
「いえいえ。本来ならご連絡をした上でご挨拶でしたが、我が社の電報が後回しになっていた様で」
え?我が社の電報??軍以外で電報??確か‥‥名刺の裏とかに何か書かれてる場合‥‥
でんでんこうしゃ、何でも配達の猫便、食べ物ちぇーん猫屋、ルカの宿ぐるーぷ星の猫。
色々と突っ込みたくなる名前!!大手!!みたい!!こんな手広くやってたんかーい!!ならお金持ちになってた訳か!!
「じゃあ、貴方は支店の従業員って事?」
「はい!我が社はでんでんこうしゃは進出していたのですが業務だけで手一杯になっておりまして、自由に動ける人員が必要って事になりましたので。それで私が今回こちらに派遣されました」
「そうなのね。解ったわ」
「はい!今後ともに何卒宜しくお願い致します!」
「おねーちゃーん!!」
「何よ!騒がしいわね!」
「この名刺見てー!!」
「名刺?‥‥あははwなるほどね!」
「余り驚かないのね」
「まあね。前にお父さん共話したのよ」
「何を?」
「ここの世界の構造よ」
「構造?」
「私達は元の世界で歴史に学んだでしょ?ざっくりだけどそうね。日本だと各地に豪族が現れて戦国武将が現れて統一されて、外圧からの危険性から幕府を倒して政府が出来てって」
「うん?」
「ピンと来てない様ね。この世界は基本世襲制。世襲が悪いとは言わないわ。上手くいってれば。かと言って民主主義が絶対に素晴らしいかと言うと?って思う所は有るけど。それともここでもわざわざ私達の世界で無くなった共産主義や独裁政権をここで再現しても‥ね」
「‥‥‥」
「じゃあ今の私達の領内は??ごちゃ混ぜ状態。世襲も残ってるし、自由経済を取ってる所もあるし、独裁的に私達一家が仕切ってる部分もあるし。かと言って急に選挙やります〜って皆んなに説明しても何のこっちゃよ」
「まあそうだけど‥」
「先ずは基本中の基本からやろうって話になってたのよ。読み書き計算よ。誰もが正しく理解する。読み書き計算が出来なければ無理」
「それは解ってるけど‥」
「本当に解ってるのかしら?目を背けてない?」
「そんな事はないわ!」
「そうかしら?丘の村の学校は殆どの子供達や大人もちゃんと学びに来ているわ。けど街の中の学校は?殆ど来てないわ。そんな事はしても意味が無いって思っているのよ。元帝国民は。貴族からすれば変な知識つけて歯向かってくるより、生かさず殺さずちゅーちゅーしてれば貴族は安泰って訳よ。ノブもその辺をぶっ壊したいと思ってるんじゃないかしら?」
「‥‥‥」
「だから、基本を試しにやってみようってなったのよ。江戸時代の識字率は6 割、ヨーロッパとかは3割よ。地政学的にも有るけどどっちが平和が長かった?って判断よ」
「その歴史とルカさんの話が何が関係あるのよ?」
「私達が外野から皆んなに話しても聞かないって事よ!!お前らだって貴族だろ?って話!!その点ルカさんは商売はしていたけど一般人。頑張って読み書き計算覚えれば、軍の指揮官にもなれるし、商売を大きくする事も可能!自然と見れば周りが注目もするって事。言うが易し行うは難し!!今やルカさんは領内では憧れの的なのよ。ルカさんみたいになりたいって。お父さんやノブは軍を辞めさせたいんだけど。本能的に戦いみたいだから2人は諦めかけてるけどさ」
「なるほど‥そうだったのね‥」
「残念ながら私達は他から見ればお貴族様。勿論転生者組からはそうは思われてないと思うけど、建前はお貴族様って流れだからね。他に理解してそうなのは北の国の王女様よ。暇さえ有れば図書館通い。欲しい本が有れば本の作製を数十冊依頼して国に持ち帰ってるわ。貴方まさか心の奥底で、姫様とか呼ばれて浮かれてるんじゃ無いの?」
「‥‥‥‥」
「最近忙しいそうだったから言わなかったけど書面に残してないんじゃ無いの?」
「‥‥‥」
「転生組はここの世界を見て何となくだけど、何かを残そうとしてるわよ。ノブは‥まああんな感じで当時の考え方を残してるし、カンノさんは元々文学が好きでその事を書いてるみたいだし、ミヤさんも当時の経験談を書いてるわよ。フナさんも剣道の事書いてるしね




