何の爆発?
「ミリオタ。この爆発は何だろうな?」
「もしかしたらだけど、地下に工場があるから、溶鉱炉に海水が触れて水蒸気爆発したんじゃないかしら?」
「海水が流れ込んでか‥。それなら辻褄は合うか。これなら当初の目的も成功だな」
「でも帝国はこれからどう動くのかしら?」
「仮定の話だが。生産工場の破壊は成功したと思われる。それらを再度作り直しつつ、残った戦力で最終決戦に向かってくれればこちらにも都合が良い」
「帝国は短期決戦で、うちらは中長期戦って感じかしら?」
「そうだ。わし達はいつも時間が味方だ」
攻撃目標は破壊したと見て良い。わしらの損害もこれなら問題無いな。後は帝国がどう動くかだな。これだけ破壊したのだ。さぞ奴等も頭に来ているだろうな。冷静さを失ってくれれば我々に有利だが、何回もやられっぱなしだと立場を無くしてる連中も多い筈。慎重に対応して来るか?それとも?
こればかりは相手の出方を待つしか無いかな。
「ミヤ。帝国方面の動きは如何だ?」
「偵察を見る限り、我々が爆撃した街道付近を修復している様に見れますな。しかし帝都は対空火器が大幅に増強したらしく上手く偵察活動がうまく行っておりませんな」
「奴等も戦略を考えてきたのかな?」
「写真からだとそう思われますな。今後は帝都を爆撃する際には、こちらも相当な損害が出ると思われますな」
「街道付近の偵察は密に行うか。我々の状況は?」
「前回の爆撃損害は、機体自体は回復しておりますが、魚雷や焼夷弾の備蓄が底を付いております。燃料、弾薬、爆弾等は問題有りません」
「まあ、それらは当分使用はしないから問題無かろう。帝国はどう動くと思うか?」
「恐らく我々の戦略を真似して来るとすれば、制空権の確保からの進撃ですかな」
「敵の航空機の型は判明したのか?」
「カンノが目視したのは、恐らくハリケーン型の航空機を目撃しておりますな」
「ハリケーン‥あぁ‥これか。こいつの航続距離からするとここ迄来るには、最低2箇所の飛行場が必要になるか‥」
「そうなりますな。敵爆撃機等がどの程度か判りませんが、戦闘機は2箇所。後方にあたるのは爆撃機用の飛行場になりますな」
「うむ‥‥」
考えなければいかんが考えすぎも良く無いか‥。




