状況確認か
さて、建物の設計図を渡したから、わしも一先ずひと段落かな。そしたら次にムカンへ向かう補給隊に乗って行くか。向こうも話のできる奴が待機してると連絡が来たからな。次の補給隊は、52が11機。ギガント3機。一式陸攻20機。零戦70機って。ミヤの奴め。わしが行くからと言って、護衛をこんな厚くしおって。零戦はほぼ全力出撃。カンノが戦闘隊長に、ルカが副隊長とはな。最強状態じゃないか。しかも一式陸攻の1機に乗れか。心配し過ぎだ。
「では、行ってくる。ミヤ後はよろしく頼むぞ」
「承知しております!」
ここから約3時間程度か?ゆっくり空の旅と行きますか。
‥‥‥‥
「のぶ殿!後15分程度で到着します」
「解ったぞ」
まずは、ギガントからの着陸か。燃料が1番ギリだからか。この流れだと次が52か、その次に一式陸攻か。零戦は上空警戒か。20mm、37mmの単装砲が数門守っておるな。こっちの換装が終わったのを渡してるから当たり前か。
「操縦士から、各員へ着陸態勢に入る。衝撃に備えよ」
‥‥‥
思っていたより拠点化されておるな。擬装した建物、倉庫か。空から見たが確かに解りにくくしておるな。教えた事を実践しておるな。思っていたより統率は取れて一安心ってとこだな。物資類は既に分散しておるのかな。
「お待ちしておりましたぞ!」
「マカラ!久しいな。中々良い拠点だ」
「いえ。まだまだです。お疲れの所、申し訳ありませんが、早速、待避壕にて我が国の代表がお待ちしております」
「解った。どんな奴なんだ?」
「名は、ルルカラと申します。女性では有りますが、国王より全権を委任しております」
「女性とは珍しいな?貴族か?」
「いえ。商人上がりですが、経済、内政はピカイチです。軍属経験としては、近衛隊を2年程、指揮をしておりました」
「ほぅ。貴重な人材を遣してくれた物だな」
ほう。丘をくり抜いたのか。あー。うちの要塞を参考にした様な作りだな。真面目な奴ら目。
「本来なら、王都の城で盛大に歓迎したいのですが‥」
「ハハハ。今は戦争中じゃ。そんな事は気にしないさ。逆に王都で盛大に歓迎されたら、お前らなんぞ援助なんてせんわ」
「そう言って頂けると助かります。どうぞこちらへ」
「初めまして。ムカン国代表のルルカラと申します」
「オータ国、作戦参謀のぶともうす」
「今までの多大なるご支援、誠に感謝致します」
「まあ、わしは堅苦しいのが苦手でなぁ〜。ここは1つ気さくに話そうではないか」
「ありがとうございます。聞いてた通りのお人柄ですなのぶ殿は。お言葉に甘えまして、今現在の我が国のお話致しましょう」
帝国と接してる戦線は約1200km程度と思われる事。
我が国の領土の3分の1程度、占領されて居るとの事。
現在、遊撃戦を展開中。そのお陰で帝国の進撃は止まって居る事。
戦線が広く、補給物資がまだまだ足りない事。
初戦の奇襲で、輸送用の馬、荷馬車が極端に不足して居る事。
敵新兵器で、正規軍の約半数以上が壊滅して居る事。
「これが我が国の現状です」
「これは中々の惨状だな」
「しかし御国の支援があれば、押し戻す事が出来ると思っております。つきましては、飛行機と戦車を我が国も派遣して頂きたいと思っております」
「残念ながらそれは無理だ。今日の飛行機の数を見てそう思ったのか?」
「はい。いつもより多かったので、こちらに来られるのでしたら、そのまま駐留して頂けるのでは?」
「残念ながら、今日来た飛行機は、ほぼ全力出撃だ。今我が国は丸裸の状態に近い。今帝国が飛行機を使って攻撃されれば、中間の街は落ちる。それに戦車もここまで移動させるのに燃料も食うし、故障も発生する。送ったとしても何両こちらに着く事が出来るか」