昔の風景
「ふぅ〜」
「どうした?女狐!らしくないな」
「のぶ殿か。この街に来るのは、数十年ぶりだ。私が以前来た時は、周りは森に囲まれて自然豊かな場所だったのだが。見渡す限り平原。勿論平原が悪いわけではないが」
「あ。あ。わしの記憶もそうだったが。どうやらこの辺の奴らは、森を切り開いたらしい。家作るのや燃料としてな。だがそのままにしてしまった様だ。森はなくなり平原が出来た。そのお陰で自然の恵みは殆ど取れなくなったらしい。まあ見たまんまだが」
「自然と共に過ごすのは難しいな。土地も痩せておる。我が国は涼しい気候で南の国に憧れがあったのにな」
「王女様、本国からオータ領経由で入電有りました」
「うむ」
自然と共にか。言うのは簡単だがな。
なになに。
王女様。我が領土の北部にて、「泥炭層」を発見せり。解る範囲で規模は無限蔵なり。
火山帯跡地、希少金属多数発見。こちらはまだ捜索中。
ふふふ。まさかな。あんな何も無い土地にそんな物があるなんてな。図書館で読まなかったら一生気がつく物では無かった。燃料問題も解決だ。
跡地からは希少金属か。
「返電頼む。北部の件、直ちに試験せよ。跡地はそのまま捜索を」
「何かあったのか?」
「何でも無い。いつもの事さ」
うーう。戦車がこんなに乗り心地が悪いとは‥。もう少しで着くから我慢しないと。。
ここが中間の街か。かなり大きいわね。門が木っ端微塵だわ。。
「よー!やっと来たか!農筋」
「のぶ〜!お久しぶり〜」
「早速なんだが、要塞からここまでの道のりで気がついたら事はあったか?」
「そうね。木々が少ない。雨もたまにしか降らないのかしら。気象は要塞で教えて貰ったわ」
「この辺りは昔は、森だったんだ」
「この辺りが?それにしては平原になってるわね」
「環境破壊ってやつかな?この辺りで昔は農業もやっていたらしい」
「うーん。まあ色々見て回るけど。まだ戦いは終わってないのに大丈夫なの?」
「流石にこの辺りじゃなくて、要塞からここまで当たり笑」
「はい?どんだけあると思うのよ!」
「まあ、それぐらいのイメージだ。そもそもこのままだとここも砂漠とやらになってしまうんだろ?」
「え?何で?解るのよ」
「そりゃーそれぐらいわしでも解るぞ。先ずは、それを食い止めろ!田畑はその次じゃ」