名門とは
「善戦虚しく、嫌々戦っていた諸君!話は聞いたぞ。帝国に戻りたく無いと。我が国は奴隷制も無いので、奴隷に落ちるって事は無いからその点は安心してくれ。わしには解るぞ。貴族や職業軍人がお前達にして来た事は。そこでお前達に、提案が有るが我が国に来て働く気はないか?」
働く??
「急にこんな事を言われても何の話か解らんと思うが、我が国は今人手が足りなくてな。人手が欲しい。まずこの中から読み書きが出来る班と計算が出来る班、両方出来る班、どちらも出来ない班の4班に分かれてもらう。何か解らない事があれば手を挙げ話して貰っても構わないぞ」
「無ければ話を続ける。班に分かれて貰うのは、それぞれの能力を知りたいだけで、どちらも出来ない班の奴等でも特に何の問題もないぞ。勿論、仕事内容は変わるがな。もし我が国に来るのであればここにおる皆の待遇差はさほど変わらないのも約束しよう」
「あの‥」
「はい!お前!話せ!」
「食事は貰えるのですか?」
「あ、あ勿論だ。ざっくりだがこれから話す。我が国に来て貰った場合、衣食住は保証する。それと読み書き、計算の出来ない連中は、仕事しながら勉強をして貰う。この中にもおるだろ?手に職がある奴は?まず我が国に入国前に色々と細かく話は聞く。何が出来るか。それを見て仕事を回す。心配は要らん。何か出来る筈だ。そうだろ?今すぐここで答えを寄越せとは言わない。1日待つのでそれまでに答えをくれ。勿論、断るのもお前達の自由だ。聞きたい事があるなら、お前達を監視してる奴に聞いて貰っても構わないからな」
‥‥‥
「どう言う事だ?のぶよ。残り全員お前の国へ行きたいって」
「それは企業秘密だ笑」
本国へ
捕虜約2000名の移住希望者を送るので、いつも通りの対応を。
尚、この移住希望者の軍事訓練は当面、行わない事。
領内から外へは出さない事。以上。
のぶより。
これでまた人手を確保したぞ。さてさて、穴掘り隊は、どうなったかな?
ライオンの奴もえげつないな。貴族共、職業軍人共には、足に鎖の錘付き。他の奴等は無しか。一目で分かりやすい事してくれるな。ん?
「私は貴族だぞ!何故この様な待遇なんだ!」
馬鹿が。貴族だからその待遇なのだ。負けても解らんのか。やだねー。
「おい!貴様!ここの責任者か?話を聞け!」
「何じゃ?わしの事か?」
「そうだ!私は名門貴族の出だ。何故この様な事をさせる!」
「そりゃー、戦に負けて捕虜だからな」
「確かに負けて捕虜だが、私は誇り高き名門貴族だぞ!」
はぁ〜。めんどくせーなー。
「誇り高き貴族様よ。じゃあ聞くが、何故自決しなかったのだ?わしが知っとる誇り高き貴族様が捕まるって事はありえないよな?」
「それは‥」
「お前の都合の良い話は知らんがお前は捕虜だ」
「‥貴様に決闘を申し込む!受けろ!」
「はぁ〜。決闘とは貴族同士じゃ無いと出来ない筈だが?」
「私が認めてやる!」
「お前に認めて貰う必要は無い。お前は捕虜その1に過ぎぬ。」
「貴様!!」
「お前、まだ立場がわかっておらぬ様だな。お前なんぞの命、わしの手の平の上じゃ」
「何だと!こちらには配下だっておる!」
「配下??」
「お前達!私の言う事を聞け!平民共!お前達には足枷が無いのだ!その鶴嘴を持って奴をやれ!」
こいつはダメだな。全く理解しておらんな。
「何故、命令に従わない!」
「お前は最悪だな。本当。貴族の坊ちゃんよ」
「なに?」