教科書的に
「偵察機からの写真です。中間の街から帝都側へ約50km地点です」
「煙のスジ?」
「恐らく、トラックか戦車の移動を捉えた物と推測します」
「街からの連絡は?」
「3日前より来ておりません。恐らく街道の封鎖を始めた模様です。最後に来た商人に確認した所、閉鎖の噂が出て来たので、慌てて出て来たと」
「いよいよか。350地点は?」
「その地にて、まだ待機との事です」
「引き続き、監視させろ」
「それと、傍受ですか声が大分ハッキリと聞こえ始めております」
「近づいているって事か」
「暗号解読はどうですか?」
「大体の文字分類は把握出来たが、確証が無くてな」
「ん?こっちの暗号はどうなっておる?」
「各地に散ってる潜入隊には、同じ本を渡しております」
「本?」
「はい。暗号は直ぐには出来ませんので、ページ数と何行目の何文字目で、やり取りを行う予定です」
「あー。23ー14ー5みたいな感でのやり取りか?」
「その通りです」
そういや。ミリオタが言ってた暗号機作るって言ってたよな。出来たのかな??
「ミリオタ!暗号機は出来たのか?」
「今やっと2機目が完成した所よ」
「直ぐに、使い方を兵に教えよ!」
「解ってるわよ。要塞へ行ってくるわ」
暗号はこれで平気なのかな?後はと。ライオンの方は問題は無さそうかな。何だかんだ言っても、1番の武道派だし、実戦経験も豊富。気になっていたのが新たな兵器。その対応も書面で渡してあるしな。頂上に寄ってから帰るとするか。
「ユユカ、ここで会うのは珍しいな」
「はっ。第1対空警備隊訓練と電探操作習得中です」
「よしよし!だが電探はまだ敵の方に向けるなよ!」
「心得ております!領内に向け、飛んでおります、我が飛行機を仮想敵機として訓練しております!」
「上出来だ!」
流石、警備隊隊長だな。問題無さそうだ。
「のぶ殿!ミヤさんからお電話です」
「どうした?」
「350地点から出たと思われる、部隊を発見しました。ここから約150km ラーライからだと約100km辺りです」
「移動してるのか?」
「いえ。どうやらそこで何かを構築中だそうです」
「解った!そっちに戻るよ」
「戻ったぞ」
「すみませんね」
「いや。構わんよ。しかし今回は奴等もかなりの慎重な行動だな」
「はい。恐らく350地点が大規模後方支援基地、150地点が前線支援基地と言った所でしょうか」
「恐らくな。更に前進して、50地点にも何かやりそうだな」
「どうしますか?足の速い部隊を臨時に編成して、仕掛けますか?」
「いや。まだここからだと距離があるから、もし50地点にも出来たら仕掛ける。まだほっといていいだろ」
「解りました。その方向で行きますか」
「あ、あ。50が出来ればな」
「確かにそうですね」