水?
「要塞から連絡あり、中間の街より、一部帝国騎兵隊が到着したとの事です」
「脚の速い奴が到着か」
「ねーねー、のぶ。中間の街ってどんな所なの?」
「そうだな。帝都から出て、街道添いとしては、そこそこでかい街だ。それより先にはでかい街は、旧中央領しかないから、ここで馬車の点検、修理、補給を行う活気がある街だな」
「この街を味方に付ければ良かったんじゃ無い?」
「ミリオタよ。ここの領主貴族は、帝国派だ。流石に無理だ」
「そうか。残念ね」
「そうでも無い、貴族を味方にしなくても、領民達は、どう思ってるかだ。やり方次第では、領民は味方となり得る」
「そうか。味方になるといいわね」
「そうだなー」
馬の脚でもまだ、日数は掛かるな。そいつらの動向次第だな。ミヤに言って、52とシュトルヒで偵察強化だな。
「ミヤさんより、直接電話連絡が入ってます!」
「ん?直接?すぐ出る。どうしたミヤ?」
「中間の街からです!トラックか数十台、入ったそうです」
「トラック?誠か?何日前の話だ?」
「はい。時間差を考えると5日前だと思われます。操って居た人物がそう言っていたそうです。トラックを視認させましたが話を聞く限り間違い無く、我々の知ってるトラックです」
「トラックを持っておったのか。こっちに来る速度が上がるな!偵察を強化しよう」
「解りました」
トラックは、こっちには無い。見た事無いから緊急でミヤに連絡したか。まあ、それで助かるが。トラックの話は、皆にしといた方が良いな。
今気がついたが、帝国の燃料は何処から?食料も向こうはそんなに余裕が無いはず。。
「トラックを持ってる?」
「そうじゃ。帝国はトラックを運用しておる」
「まあ、飛行機や戦車があれば持って居てもおかしくは無いわよね」
「お前の記憶で探したんだが、燃料は本来原油とやらから出来てるってのであっておるか?」
「そうね。あってるわよ」
「原油を探し当てたって事だよな〜」
「まあ、そうなるわよ」
うーん。奴に聞いてみるか。
「お前何してんだ?」
「見て解らんか?農作業の手伝いだ」
「まあよい。帝都に居る時に、原油って噂を聞いた事あるか?」
「原油?いや。無いな。油って事か?」
「まあそうだ。または、石油とか」
「うーん。聞き覚えは無いな」
「そうか」
「それは油なのか?」
「そうじゃ。黒くてどろどろしているはずなんだが」
「‥‥‥んー。油では無いが、腐った水とやらが出たと言う話は聞いたが‥」
「実際にそれを見たか?」
「いや。あくまでも噂話さ。それがどうした?」
「いや。助かった。それの場所を探れるか?」
「手下は全員連れて来てしまったからな」
「そうだったな。何か思い出したら教えてくれ」
腐った水か。それが恐らくそうだな。




