どうするか!?
その部屋には、メイドのサラがチョーをあやしていた。ザ、猫娘。お兄ちゃんのテンションが上がっていた。
お母さんが抱き上げて、あやしている。
「可愛いわね」
お兄ちゃんとお姉ちゃんをジーッと見つめていた。
全くどっかのバカ息子とバカ娘は、孫の顔も見せなくて。。心の声が私にも聞こえてくる。
2人はその場を速やかに、離脱していった。
しかしどの部屋も何も無い殺風景な部屋だった。元の家族の趣味なのだろうか。
その場にお母さんを残して、お父さんと私も元の部屋に戻ってきた。
「しかしどの部屋も殺風景だなー」
お兄ちゃんが呟く。確かに、貴族の屋敷にしては、やけに何も無い。
「せっかく貴族に生まれたんだ!お金を使いまくるぞー」
「なりませんぞ!若様」
爺が声を荒げる。
「何故?」
ゴホンと咳払いをして説明をし始める。
昨年から帝国への支払いが3倍になり、税収では全く足りず、屋敷にある売れる物は全て売った事。それでも足りず物品で支払いを行った事。今の状況は、借金だけがまだ無くマシな事。この様な状況でございます。
要は超貧乏!
皆が「はぁー」とため息をつく。
その場に、ご機嫌なお母さんが戻ってきた。
「あら、どうしたの?」
ざっくりと説明するとあらーとの表情だがまあ、どうにかなるでしょと雰囲気。お父さんも同じ様に。。
「殺されるわけでもないだろうから、どうにかなるだろー。あはは」
「いえ。死刑です」爺の一言
「はあ?」
「死刑ですが。。」
なんだってー!?
何故に死刑!?領地の統治能力無しと判断され、市中引き回しの上に、死刑となります。
爺は、淡々と説明を続け1年後迄の支払いまで、金貨約900枚かそれと同じ価値の物品を作らならばなりませんぞ。
「うーん。。。」
ここで悩んでいても仕方ない。まずは、領地の視察を皆で行こう。爺、案内をお願いする。「はっ」それでは、屋敷から1番近い農家から行きますか。歩いて約10分程度。粗末な建物が10軒ほど見えてきた。
「お館様ー!それと皆様」
農家の代表らしき人が声を掛けてきた。
「おー。皆元気が?」
「はい。皆様ご病気なられたとお聞きしてますが?ご体調は、宜しいのですか?」
「ははは、この通り元気になっぞ」
「それは、良かった。心配しておりました」
「しかし今日は何用で?」
「あー。少し畑等を子供達に見せても良いか?」
「それならば、私の息子に案内をさせましょう。畑に居ると思うので、声掛けてもらえれば」
私達は、ここで少し話を聞くので3人で畑を見に行ってくれ。
私達、兄妹3人は畑へと向かう。収穫は終わっているのだあろう、広い畑が見渡せる。
畑の土を触ってみるが良くない。痩せている。
「どう?」お兄ちゃんやお姉ちゃんが私に聞いてくる。私はこれでも農大生、元?
「痩せる」
小屋へ視線を向けると、高校生位の男の子が作業してるのに目が止まる。
「おーい」声を掛けるとこちらに気づいて手を振ってくる。
「お。領地様の。体調は、平気なのか?」
「ええ。大丈夫よ。今は何をしてるの?」
「ああ、これは今年に蒔く予定の小麦と大豆の種を見にきたんだよ」
「私にも見せて貰っていい?」
「まあいいけど」不思議そうに私を見てる
小麦と大豆を手に取って見るとどちらも貧弱な種だ。うーんと種を握りしめた。せめて現代の種が手に入ればと思った瞬間に、目の前が眩しいばかりに光を発した。