見た目で判断はだめ
さてと、列に並ぶか。出身地とあれはスキル水晶。あんなの何の役に立つんだ?子供の時以来だな。まあいいか。あの車輪が前後ろに付いてるのは何だ?あれじゃー何の意味も無いだろ。車輪は左右だ。ここは凄いのか凄く無いのか解らん場所だな。後で教えてやらんと。
「きゃーーー」
何だ?
「私の荷物取られたー」
ちぃっ。こんな所でスリかよ!彼奴足早いな。待ちやがれ……はぁ?
車輪前後に跨って、動いてる!?速い。あっ。スリのヤロー囲まれていやがる。
「貴様!中央領でもスリを行ったな!手配書がこちらにも来ておる!逮捕する!」
……訳分からん……
「はい!次の方!出身は?」
「ムカン国」
「職業と名前は?」
「元だが軍人、名前はグラン」
「水晶に手を触れて下さい」
「はい。終わりました。今、仮板を渡しますので、少々お待ちを」
「はい。この仮板が当面の貴方の身分証明になりますので、無くさない様に。また無くされた場合は、直ちに警備隊に申し出て下さい」
「分りました」
随分とあっさりだな。あれじゃ何の意味が有るんだ?あっ。
「すみません」
「はい?何か不明な点が有りましたか?」
「いえ。先程、要塞でこの書面を渡す様にって言われてたの忘れてました」
「書面?拝見しても宜しいでしょうか?」
「どうぞ」
「これは!!警備兵!!この方を直ちに保護!のぶさんに連絡!これから貴方は、一時保護対象者となります。身分をこちらで預かります」
「へ??何もして無いですが?」
「ええ。知ってます」
「へ?じゃあ何故?」
「貴方は、ミカ隊長からの直筆の書面を持っておりましたので、こちらで保護致します」
「へっえ?あの子供が隊長??間違いでは無いですか?」
「はぁー?直筆の書面を持って何言ってるの?名前は聞かなかったの?」
「はい。。」
「あの子はね!あの年齢でこの街を救った、勲章持ちで、ここの英雄なの!!」
「はぁ?勲章持ち?英雄?」
「貴方は知らないと思うけど、そうなの!」
「あんな小さな子供が?」
「チッぃ。貴方ね、それ位にしといた方が良いわよ。その書面が無ければ、私の権限で縛首にも出来るのよ!!」
「はぁっ?だかが受付嬢が?」
「なぁーにぃー。貴方、私が女だからって見下してる訳?知らないから教えてあげるけど、ここはね種族も関係なく、性別も関係無いのよ」
「へっ??」
「メガホン!ここの領地は、種族や性別も関係無く、皆んな平等。確かに他の地域では、人族主義や亜人族等、そして性別の差別が有るのは事実!でもここは基本的に平等!だから、人も亜人も男も女も気にしない事!それが私が言いたい事よ!皆んなも解ったかしら?特にグランさんっておっしゃりましたか?貴方のお名前?」
「そんな突然言われても何が何だか」
「あら、私の説明で理解出来ないなんて残念ね。警備兵!直ちに公開処刑を行う!縛首の準備を」
「はっ。直ちに準備を行います!」
「えっ。えっ。ちょっと待って…」
「これー。警備隊隊長!その辺で良いだろ〜。此奴も肝を冷やしたさ」
受付嬢と思ってたのが、警備隊隊長!?
「これはのぶ殿!わざわざこちらにありがとう御座います!久々にやるのは楽しいです!」
「じゃあ、此奴は預かるぞ」
「はっ」
「久々に見れて面白かったぞ!たまにはやってくれなー!!」
全く街の連中も面白かって。見せ物化しとるではないか。
「グランとか言ったな。かなり応えただろ。まあ乗れ」
「はぁぁー」