新たな物
うーん。飛行機は本当に大変だな。。あれからカンノさんに何回も飛んでもらったけど、シュトルヒの方が性能が高そうだと。シュトルヒはあのまま、本生産に移行して構わないが赤とんぼはダメと。普通には飛べるが武装予定の重量を積んで飛んでもらったら、飛ぶのが精一杯で、危険との事か。エンジンの出力が弱いんだな。
450馬力位のイメージで作ってみるか。
人手が増えて、車両開発から星型開発へ人が回せるのは大きいな。
既に帝国が無線やらモールスを運用してるとはね。ミヤさんも驚いてたわ。状況を説明したらアンテナトンネル工事を優先にして貰ったわ。手の空いた人員で直ぐに工事を始めたし、しかも1ヶ月程度でいけるんじゃ無いかってのは驚いたわ。亜人族の体力にはビックリ。しかも工事車両も増えたのが大きいわね。ミヤさんとも話だけど、通信傍受や暗号解読の人員。それに合わせてこちら側の暗号。人員って言ってもな。うーん。そういや。お母さんクロスーワードとか好きだったわね。メイドのサラも暗スキル。暗殺かと思ってたけどもしかしたらがあるから頼んでみるか。それに暗号と言えば!エグニマ暗号機!これを作るわ!
ゔぅん……
「気がついた?」
「ここは?」
「ここは、オータ領の医務室。私が難民探してたら、貴方が倒れてるのを見つけた」
「オータに着いたのか…」
「貴方、軍人?」
「あ、あ。元になっちまったが。左腕をやられてな。難民としてオータ領かラーライ領へ避難と国から言われてな」
「そう。動けそう?」
「まあ、歩く位には大丈夫だろ」
「貴方の名前は?」
「俺の名前は、グランだ」
「グラン、食事を取ったら、トロッコに乗って、入国手続き受ける時、この書類渡しとくからその人に渡して」
「解った。助けてくれてありがとう」
「じゃあ、私は行くから気をつけてね」
しまった。名を聞くのを忘れた。あんな小さな女子供にまで、看護させるとは。。。オータも大した領では無さそうだな。。
さて、不味そうな飯でも食いに行きますか。。
!?はぁ?!何だここは!?軍の施設か??
「そこのお前!何キョロキョロしとる?難民か?」
「はい。どうやら気を失って、ここに連れてこられたみたいです。それに先程、食事をしてからトロッコで入国しろと言われました」
「そうか。それなら仕方ないな。皆んな初めてここに来たら、そんな感じだ。悪かったな。食事はあそこだ。終わったら、トロッコ迄の矢印があるからそこは向え」
「ありがとうございます」
何だこのいい匂いは。美味そうだな。ここに並ぶのか。
「あんた、顔色悪いね!大丈夫かい?」
「今さっき、起きたばっかみたいです」
「そりゃー気の毒だね!体力も落ちてそうだから、胃に優しい食事にしときな!ちょっと待ってな」
「ほら!好きなテーブルに座ってゆっくり食べな!」
「ありがとうございます」
さっきの小さな女子供や女性まで軍で働かせてるのか?まあ、料理は女性に限るが。んーん。見た事ない料理だが香りは美味そうだな!どれどれ。美味い!こんなに美味いのはそう無いぞ!食欲が湧いてくるな。
しかし如何なってるんだ?こんな美味いもん難民に食べさせてるのか?他の奴等もどう見ても難民だしな。。よくよく見ると見た事無いもんが色々あるな。。
ふぅー。久々にまともな美味い飯!生き返る!この食器みたいのも凄いな。1枚の板に凹みをつけて、何種類かのおかずが乗せれる様にしてある。これならいちいち、食器類も嵩張らないし、同じ凹みだから重ねられて、場所も取らないな。
「あんた、プレート食器がそんなに珍しいかい?」
「こんなの見た事無い。凄く便利そうだ」
「他の難民が気が付かない事、よく気がつくねー。それは領主の奥様が考えたんだよ。持ち運びやすく、洗うのも楽」
「オータでは、これが普通なのか?」
「んー。街じゃ余り見かけないかな?軍向けの備品だからねー」
「なるほど」
「まあ、街に行ったらもっと驚くと思うよ!ビックリしすぎない様にね!トロッコは、あの矢印通りに行けば乗り場に着くから」
「あっあ!ありがとう」
ここか。たかが食器にまで拘るとは。でも合理的だな。軍の輸送隊もあれなら大分楽になる筈。オータ領とは如何なってるんだ?聞いた話だと辺境で何も無いって話だったが。
ん?何の音だ?
なっな、何じゃこりゃ?トロッコから煙が出ておる!
「あー。難民の諸君。驚かない様に!これはトロッコを引っ張る蒸気機関車と言うものだ。音は大きいがそれだけだ。特に恐ろしい物では無い。安心してトロッコに乗ってくれ」
安心出来るかーい!!周りだってざわついてるだろ!!
「皆の気持ちは解る。見た事無い物、聞いた事無い物を実際に目にすると恐ろしいと。しかしこれは馬よりも速く移動が出来る。如何しても無理と言うなら馬車もあるが半日以上掛かると覚悟してくれ。トロッコなら2時間掛からないで入国手続場まで着く」
はい??馬車の3倍近い速さで移動できるのか??
「速く着いて、ゆっくりしたいだろ?怖がらずに乗っていただけると私も助かるし、君達も助かるぞ」
ふぅー。乗って行くか。
「俺は乗ってみますよ。やっとの思いでここ迄来たんだ。どうせなら見た事無いもんを楽しまないとな」
「ありがとう」
他の皆んなも乗り始めたか。一度諦めた命だ。たかだか見た事無いトロッコ程度、楽しまないとな。
「それでは出発する!動いてる時は、立ち上がったり手を出したりしない事!乗務員の指示に従う事!出発!」
おっ。動き出したな。ゆっくり動くんだな。
(シュッ、シュッ、シュッ、ピッーーー)
ビックリする音だ!!
わっわっわっ。どんどんと加速していくぞ。
速い、速いよ。
やっと慣れてきたぞ。。これはこれでありだな。乗り心地も馬車とは比べ物にならん。尻も痛くならんぞこれなら。しかし風景が速く動くな。
ん?風景が変わったな。何だこの葉がツンツンしてるのは?ここは畑か?トロッコが止まっておる。ツンツン葉を収穫して、積んでおるのか?結構な広さの畑だ!ツンツン葉でよく見えんかったが荷台車?の様な物があったがあれは一体?それに所々にある、見張り台?か?何故、上だけ丸い建物が??謎だな。んーーー。オータとは一体如何なっておるんだ?
反対側からトロッコが走ってくる!凄いスピードですれ違ったな。確かに腕を出したら持っていかれそうだ。。。
(カンカンカンカンカンカンカン)
何だ!?
「もう少しで、入国手続場に到着する!完全に止まるまで、そのまま座っている様に!降りる時は、乗務員の指示に従う様に!」
はあ?もう着いたのか?俺が考え事してたので、時間が過ぎるのが早かったのか?それともスピードが速かたのか!?
「停車ー!停車ー!ゆっくり降りる様に、ゆっくり降りる様に」
「トロッコから降りた者は、こっちにーこっちにー」
「これから、入国手続を行うー!列に並ぶ様にー、列に並ぶ様にー」
制服が違うな。トロッコの連中は、黒系。
今叫んだ連中は、青系。役割によって制服の色を分けてる?あの赤系は、どう見ても警備隊か。そういやさっきの要塞連中は、まだら模様の茶、緑、黒だったな。軍人の制服か?あれなら、色を見ただけで分かりやすいな。