名前は?
「その話、詳しく聞かせろ!」
「まあいいが、酒が飲みてーなー」
「良いぞ。しかし場所はルカの店だ」
「あーあの高そうな店だな!良いぞ!」
「先に行って待っておれ。連れも同席させて貰うぞ」
「飲むのは人が多い程楽しいからな」
「ミリオタ!ここに居ったか!」
「どうしたの?それにケッテンにのぼり旗たてて」
「どうじゃーいいだろー!じゃなかった!取り敢えず乗れ!緊急だ!二次元は、何処におるか解らんから、警備兵に頼んで探させておる」
「おう!来たか!もうやってるぞ」
「誰この人?」
「まあ、そりゃー後でだ!さっきの話の続きだ。話せ!」
遠くから見たのは、お前が乗ってる奴みたいな奴さ。型はだいぶ違うが。恐らくこれより大分大きいな。それにお前達が作った要塞近辺で、走ってた奴の方が型が近いと思うな。
それが工場から走って出て来たのを見たぞ。ここのを見ると中に人が乗れる様になっておるのだな。
後は、骨組みしか無い塔も見たぞ。あれはかなり高いな。ここに有る物より数段な。あんな骨組みだけの見張り台も無い塔が何の役に立つか俺には理解出来ん。
それとここでも見た事無い様な物だ。なんて説明して良いか俺には判らんが。そうだな。1番近いのは、鳥が翼を広げたまんまの状態のが道に並べて居ったぞ。
「まさか……」
「どした?2人共、飲みの場では楽しくだろ!」
「お前、明日ここを出るんだよな?出る前に、お前だけ許可証渡しておくから、そこに来い。見せたい物がある。それにここの支払いは、全て奢りじゃ。何ならここに護衛の仲間呼んでも構わないぞ」
「おーー。太っ腹だな〜」
「ミリオタ、話を聞いてどう思う?」
「戦車が有るのは間違いなさそうね。まさかと思うけど、無線もあるし飛行機も。明日モックアップ飛行機見せる気?」
「ああそうだ。現物見せればわし達が不安に思ってる事も消えるかも知れんし、不安が増えるかも知れぬが、もやもやするよりは良かろう」
「まあ確かにねー。無線は私達だけでしょうし」
「いや。さっきミカの所へ行っていたんだが、彼奴が難民探しにテケで出たら無線から何を言ってるが変わらないが声が聞こえたと。3回って言ってたかな」
「え?無線は普段使ってないんじゃ?」
「たまたまミスで無線のスイッチが入っていて聞こえたらしい。ミカはそれからまた聞こえるかもって、スイッチ入れたまんまで難民を探してたそうだ」
「まさか、帝国の無線を傍受したって事?」
「それは解らんがミカがわざわざそんな嘘もつく訳なかろう。それに骨組みだけの塔って。奴も言ってただろう。見張り台も無い塔って。無線のアンテナじゃ無いのか?それもここにある奴よりでかい」
「まさか……」
「まあ、明日モックアップ飛行機を見せてみよう。それでまた何か判るかも」
「でもあの人誰?」
「あっ名前……」
「知らない人に許可証渡したの?」
「はぁはぁはぁ。どうしたの急に?のぶ?」
「あー。細かい話は、ミリオタから聞いてくれ」
「???」
「よー。どうした?神妙な顔で。しかしここの工場も大きいな」
「まあ、入ってくれ。見せたい物がある」
「これは……」
「お前が見た鳥の翼を広げたのってこれか?」
「うーむ。確かに近いが……」
「よく思い出せ!右にあるのが赤とんぼ、左のかシュトルヒ」
「シュト……?」
「名前はどうでも良い。似た奴か??」
「何て言えばいいのかな。雰囲気が似てるのはこっちの赤とんぼ?かな。鳥の翼が2枚有るのは同じだが。でももう少し骨組みになっていたな。それに頭についてるこれ。一つのと左右の翼の間にも一つづつ付いてるのもあったぞ」
「そうであるか。わざわざすまなかった。ほれ、これをやる。情報料だ。足の付かないな。帝都に戻ったら、お前の仲間達使って、変わった物や気になった物を直ぐに知らせろ。それと例の件も任したぞ」
「ほぉー。こんなにか。どうやら俺はヤバい物を見た様だな。まあ、命あっての事、深くは聞かんが仕事はちゃんとやるさ。じゃあな!」
「さて、2人共…」
「まさか既に、飛行機を製造してるって事か」
「そうじゃ。しかしミリオタの記憶を探ってもどうも一致しないのだが」
「それはそうよ。私が詳しいのは、第二次大戦中の物が殆ど。話を聞くとどうも第一次大戦中の物の方が多い。マーク戦車も第一次の物だし、飛行機も聞く限り、第一次の物っぽいし」
「もしかしたら、第一次大戦の時の兵器製造に関わった開発者?使用者?それとも…何せそれを知ってる人が帝国にいるって事も間違いない。しかも僕達より早くこっちの世界に来ている」
「そうだよな。可能性は高いな。さてそれを踏まえて、見直しと行きますか」
「そうだね。ところであの人誰?」
「あっ……。まあ信用できる人」
怪しんですけど。。。